英中関係の「黄金時代は終わった」 スーナク首相が外交方針演説

Rishi Sunak

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イギリスのリシ・スーナク首相は28日、英中関係の「黄金時代」は終わったと述べた。今後、中国に対するイギリスの態度を「発展」させていくとしている。

就任後初の外交方針演説でスーナク氏は、過去10年間にわたる緊密な経済的関係は「甘い」考えに基づくものだったと述べた。

その上で、イギリスは今こそ希望的観測から、競合に対する「強固な現実主義」に移っていく必要があると話した。

一方で、「冷戦のレトリック」には反対だと警告。また、中国の世界的な影響力は無視できないと語った。

スーナク氏は先月の就任以来、中国に強い態度で臨むべきだと、保守党議員から圧力をかけられている。

「堅実な実用主義」

スーナク氏はこの日、毎年恒例の「ロード・メイヤーの晩さん会」で演説した。

企業幹部や外交政策の専門家が集う中、スーナク氏は中国で激化していた新型コロナウイルス対策への抗議デモに言及し、中国は「BBCのジャーナリストを暴行するなど、さらなる取り締まりを選択した」と述べた。

「中国が、我々の価値と利益に対する体系的な挑戦を仕掛けていると認識している。中国が権威主義をさらに強めるにつれ、この挑戦はより深刻になっている」

また、英中関係の「黄金時代」は、欧米との貿易を増やせば中国の政治改革につながるという「甘い考え」と共に「終わった」と述べた。

「黄金時代」という言葉は、デイヴィッド・キャメロン政権での中国との緊密な経済関係と結びついているが、それ以降、英中関係は悪化している。

一方でスーナク氏は、「グローバル経済の安定から気候変動といった問題まで、我々は世界の諸問題に関する中国の存在感を無視できない」と指摘した。

その上で、アメリカやカナダ、オーストラリア、日本を含む同盟国と協力し、「外交や接触も含め、この先鋭化する競争に対処していく」つもりだと付け加えた。

「つまり、大げさなレトリックではなく、堅実な実用主義で競合に立ち向かうということだ」

中国は「脅威」か

スーナク氏の前任者であるリズ・トラス前首相は、外交方針の見直しの一環として、中国を「脅威」と位置付ける予定だったと報じられている。

一方のスーナク氏は、「体系的な挑戦」という、別の言葉を使った。外交方針の見直しの詳細は、来年に明らかにするという。

しかし、演説の中の「堅実な実用主義」路線は、イアン・ダンカン・スミス元保守党党首など、より厳しい態度を求める議員から批判を浴びた。

演説内容についてダンカン・スミス氏は、中国は「我々と同盟国に対する明確かつ現実的な脅威」になっていると、英紙デイリー・エクスプレスで指摘。「堅実な実用主義が、ますます融和政策に思える」と述べた。

最大野党・労働党のデイヴィッド・ラミー影の外相は、スーナク氏の演説は「薄いかゆのように内容が薄かった」と批判し、首相は「中国へのレトリックで二転三転している」と述べた。