ロシアが核攻撃の演習、プーチン氏指揮 ウクライナ侵攻後で初

画像提供, Kremlin
ロシアは26日、ウラジーミル・プーチン大統領の指揮で、戦略核戦力の使用を想定した年次演習を実施したと発表した。8カ月に及んでいるウクライナでの戦争で、ロシアと西側諸国との緊張が高まっている。
クレムリン(ロシア大統領府)によると、ロシア軍はモスクワの北約800キロメートルにあるプレセツク宇宙基地から大陸間弾道ミサイル「ヤルス」を、北極圏のバレンツ海からは弾道ミサイル「シネワ」を、極東カムチャツカ州のクラ実験場に向けてそれぞれ発射した。すべてのミサイルが目標に到達したという。
ロシアが核戦力の演習をしたのは、ウクライナ侵攻の5日前に実施して以来。
セルゲイ・ショイグ国防相は、今回の演習の目的について、「敵の核攻撃に対する報復としての戦略核戦力による大規模な核攻撃」の実行を軍として練習することだと、ロシアのテレビで述べた。
プーチン大統領が発射のビデオ映像を見守る姿が、ロシアのテレビで放送された。

画像提供, RUSSIAN DEFENCE MINISTRY
アメリカは、新戦略兵器削減条約に基づき、今回の演習について通知を受けたとした。
核戦力の演習は、北大西洋条約機構(NATO)もヨーロッパ北西部で実施している。「ステッドファスト・ヌーン」と名付けられたこの演習では、14カ国による演習飛行がベルギー、イギリス、北海の上空で30日まで行われるという。
「汚い爆弾」めぐる主張
ロシアはこのところ、放射性物質を入れた「汚い爆弾」の使用をウクライナが計画していると、根拠を示さずに主張している。西側はこの主張を虚偽だとしている。
ウクライナは、ロシアがこうした主張をしているのは、その種の攻撃を準備をしている可能性があるからだとし、注意が必要だとしている。
ロシアのテレビ報道によると、プーチン氏は地域の情報機関の会議にビデオ回線を通して参加し、ウクライナの「汚い爆弾」計画を強く非難した。
プーチン氏はまた、アメリカがウクライナを「軍事生物学的な実験場」に変えたなど、ロシアがここ数カ月間で展開する複数の根拠のない訴えを繰り返した。
ウクライナを侵攻しているロシアは、ウクライナ南部と東部で苦戦し、戦争を思うように展開できていない。今回の核戦力の演習は、こうした情勢を背景に実施された。
だが、ウクライナのオレクシイ・レズニコフ国防相は26日、「私の個人的な意見だが、プーチンは核兵器を使用しないと思う」と述べた。また、米テレビに対し、南部でのウクライナの反転攻勢は雨に妨げられていると話した。
プーチン氏は9月の国民向けの演説で、ロシアは「さまざまな破壊兵器」を持っており、「利用できるすべての手段を用いる」と述べた。さらに、「これは、はったりではない」と強調した。
この発言のあと、欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表はBBCに、「ロシア軍は窮地に追い込まれ、プーチン氏は核兵器の使用をちらつかせており、危険な状況だ」とBBCに述べた。









