ウクライナ送電会社、停電に備え「全ての機器充電を」 ロシアは「併合」4州に戒厳令

Lviv cafe in power cut, 11 Oct 22

画像提供, AFP

画像説明, ロシア軍との戦闘が続く地域から遠く離れたウクライナ西部リヴィウでも、ロシア軍の空爆により停電が発生した。画像はろうそくをともして営業するカフェ(11日、リヴィウ)

ウクライナの送電会社ウクレネルゴは19日、ロシアのミサイル攻撃による停電が予想されるとして、20日午前7時までに「あらゆるものを充電する」よう市民に呼びかけた。一方、ロシア大統領は19日、併合を宣言したウクライナ4州に戒厳令を導入する大統領令に署名した。

ウクライナでは今月10日以降、複数のエネルギー施設がロシア軍の相次ぐ攻撃を受けている。

ウクレネルゴは、20日に最長4時間の停電を実施し、ウクライナ全土に影響が及ぶ可能性があると説明。携帯電話や充電器、懐中電灯、バッテリー類を充電しておく必要があると呼びかけた。

また、水を備蓄し、「暖かい靴下や毛布、家族や友人へのハグ」を確保するよう訴えた。

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナの発電所の30%がロシアの空爆によって破壊されたとしている。

<関連記事>

Presentational white space

ウクレネルゴは、過去10日間の電力施設への攻撃は、2月24日にロシアの侵攻が始まって以降最も多かったとしている。

同社はソーシャルメディアに投稿した声明で、「我々は明日(20日)、制御され、計算された消費制限を適用する。バランスのとれた方法でシステムが機能することを保証するために、これをしなければならない」と説明した。

電力の消費制限は20日「午前7時から午後10時までの間に、ウクライナ全土に適用される可能性がある」とし、具体的にいつどこで実施されるのかを地域ネットワーク事業者のウェブサイトでチェックするよう市民に助言した。

散発的な停電はすでに首都キーウの一部地域や、そのほかの多くの地域に影響を与えている。ロシア軍のミサイルは、戦闘地域から遠くはなれた西部リヴィウなどウクライナ全土のインフラに被害をもたらしている。

当局は国民に対し、夕方の電力利用を控えるよう促している。

ウクレネルゴは「寒い冬に向かうにつれて、より頻繁に皆さんの助けを求めることになる可能性は否定できない」とした。

ロシアが「併合」の4州に戒厳令

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日、一方的に併合を宣言したウクライナ南部ヘルソン、ザポリッジャ、東部ドネツク、ルハンスクの4州に戒厳令を導入する大統領令に署名した。

4州はロシアの一部だとするロシア政府の主張は、国際的に認められておらず、非難されている。

戒厳令は、適用される地域におけるセキュリティーチェックや移動制限を強化することを意味する。しかし、ロシアによる軍事侵攻ではすでに、占領下にあるウクライナ人の権利と自由は抑制されている。

戒厳令は20日午前0時に発効されたものの、ロシア軍は4州を完全に支配できてはいない。そのため、この戒厳令が実際にどのような意味を持つのかはまだわかっていない。

ロシア全土でも安全対策が強化されつつある。ロシア南部ブリャンスク、ベルゴロド、クラスノダールなど、ウクライナとの国境沿いにあるロシア側の地域では、新たな移動制限が実施される予定。2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島も対象地域に含まれる。

プーチン氏は「選択肢を失いつつある」

アメリカのジョー・バイデン大統領は、ロシアのプーチン大統領がウクライナでの選択肢を失いつつあると述べた。

「彼(プーチン氏)には、ウクライナの市民を残忍に扱い、威嚇し、降伏させようとするという手段しか残されていないようだ」

南部ヘルソン州では、前進を続けるウクライナ軍が州都に迫っている。ロシアは数万人の市民と、ロシアが任命した当局者を同地域から避難させるとしている。ロシアは、特にドニエプル川(ウクライナ語ではドニプロ川)の西岸にいる人々がウクライナ軍の砲撃によって危険にさらされていると主張している。

ロシアが任命したヘルソン州のウラジーミル・サルド知事は、同じくロシアが任命したすべての部局と省庁の人員が、約5〜6万人の市民と共に川を渡ると述べた。

一方でウクライナ当局は、多数の人が実際に避難しているかどうかについて疑問を抱いており、群衆が川岸に集まっている画像は大部分が見せかけだと示唆した。

ウクライナはロシアの動きを無視するよう住民に呼びかけている。

占領国による占領地からの市民の移送や強制退去は戦争犯罪とみなされる。

10OctKherson
line