チャールズ英国王の新硬貨が公開、裏側では故女王を追悼
ケヴィン・ピーチー個人金融担当編集委員

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イギリスの新国王チャールズ3世の横顔が刻まれた新硬貨が9月30日、発表された。50ペンス硬貨は、数週間以内に一般に流通する見込み。
BBCニュースが確認した50ペンス硬貨と5ポンド記念硬貨の表側には、イギリス人彫刻家マーティン・ジェニングス氏による国王の横顔がデザインされている。
イギリスでは伝統的に、硬貨に刻む君主の横顔は左右交互と決まっている。そのため、国王の横顔は先月亡くなった故エリザベス女王とは反対向きの左向きに描かれている。
また、エリザベス女王の肖像画は王冠をかぶったデザインだったが、新硬貨のチャールズ国王はこれまでのイギリス国王と同様、王冠をかぶっていないデザインとなった。
チャールズ国王はこのデザインを自ら選び、似ていることに満足しているという。
王立造幣局は来週初めから、この硬貨をコレクター向けに販売する。また、50ペンスコインは銀行や郵便局などの需要にあわせ、年末までに一般流通するという。
エリザベス女王がデザインされた硬貨は現在、約270億枚が流通しているが、引き続き使用できる。
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王立造幣局のアン・ジェソップ局長は、硬貨の耐用年数は通常20年ほどなので、エリザベス女王とチャールズ国王の硬貨は今後も長い間、共に流通するだろうと話した。
年明けからは、日常での使用頻度の高い1ペニー、2ペンス、5ペンス、10ペンス、20ペンス、1ポンド、2ポンドの各硬貨でも、国王の肖像画デザインのものが鋳造されるという。これらの硬貨は、壊れたり古くなったりした硬貨との交換や、追加需要などに応じて流通される。
「女王の硬貨を持っていても心配しないでほしい。そうした効果も引き続き流通させる」とジェソップ氏は説明した。「決済方法は多様化しているが、様々な理由から、現金決済を好む人もいる」

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公式肖像画は、国王に親しみやすい印象を与えるようデザインされているが、刻印されている文字も同様だ。
イギリス君主はこれまで、名前をラテン語で刻んできた。しかし今回、チャールズ国王はラテン語の「Carolus」の代わりに英語で「Charles」と刻んだ。
肖像画を囲む形で刻まれた文字は「CHARLES III • D • G • REX • F • D • 5 POUNDS • 2022」。「CHARLES III(チャールズ3世)」の後のアルファベットはラテン語の略字で、「神の恩寵により、信仰の守護者」と書いてある。
5ポンド記念硬貨の裏側には、エリザベス女王の若いころと晩年の肖像画が刻まれており、長い在位を表している。また、女王のロイヤル・サイファー(「女王エリザベス2世」を意味する、組み合わせ文字)「EIIR」に加え、「ELIZABETH REGINA(ラテン語でエリザベス女王)」の文字と生没年も加えられた。
50ペンス硬貨の裏側のデザインは、1953年に女王の戴冠記念で作られたクラウン硬貨(当時の貨幣制度で4分の1ポンド)の意匠を模している。

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彫刻家のマーティン・ジェニングス氏にとって、国王の肖像画は初めての硬貨デザインとなった。国王にモデルになって座ってもらうのではなく、写真からデザインを作り出したという。
「これは私が作った最も小さな作品だが、今後何世紀にもわたって世界中の人々の目に触れ、手に取ってもらえるのだと思うと、身が引き締まる思いだ」と、ジェニングス氏は述べた。
この5ポンド硬貨を含む、エリザベス女王の生涯と遺産を記念する一連の記念硬貨は、3日から発売される予定。
王立造幣局は世界最後の会社のひとつで、9世紀後半、アルフレッド大王の時代に最初の硬貨を鋳造した。
造幣局はその歴史の大半でロンドン塔の中にあったが、1960年代にイギリスの貨幣制度が10進法を導入したのを機に、南ウェールズのスラントリサントに移転。現在の施設は1968年12月17日にエリザベス女王が開設した。
旧紙幣の回収
これとは別に、イギリスでは10月から一部の紙幣が流通を終える。
店舗などは1日以降、イングランド銀行が発行した、17世紀の経済学者アダム・スミスが印刷された紙製の20ポンド札と、蒸気機関で成功したマシュー・ボールトンとジェイムズ・ワットが印刷された紙製の50ポンド札を、受け取れなくなる。
20ポンド札と50ポンド札は2020年以降、ポリマー製の新デザインのものへと切り替わりが続いていた。
また、ウェールズのクライズデール銀行やスコットランド王立銀行、スコットランド銀行、北アイルランドの各行が発行する一部の紙幣も流通が終了する。
これらの紙幣を持っている人は、銀行で別の紙幣と取り換えることができる。









