英ポンドが対ドル最安値を更新 減税政策への懸念加速

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アジアの外国為替市場で26日、英ポンドが対ドルで史上最安値を更新した。クワジ・クワーテング英財務相が先週、大規模な借り入れを伴う、過去50年で最大の減税政策を打ち出しており、市場では懸念が高まっている。
ポンドは対ドルで一時4.7%以上下落し、1.04ドルとなった。その後、1.05ドルまで回復している。
英ポンドは、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを続け、ドルが強くなる中で圧力を受けている。
ユーロも、対ドルで過去20年来の安値を付けた。冬が近づく中でエネルギー危機やウクライナでの戦争に終わりが見えず、リセッション(景気後退)リスクへの懸念が高まっている。
ポンドがこのまま安値で推移した場合、イギリスでは、ドルで取引されている石油やガスを含めた輸入品が高くなる。
また、アメリカからの輸入品や、アメリカへの旅行費用も割高になる。
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クワーテング財務相は23日、財政刷新に向けたさまざまな減税と経済政策を発表。2027年までに450億ポンドの減税となり、「スタグネーションのサイクルを成長のサイクルに変える」ものだと述べた。
新政策では、所得税や住宅購入の際の印紙税を減らすほか、法人税の増税計画も廃止する。これにより、経済成長に弾みをつけたいとしている。
これに対し最大野党・労働党は、現在の生活費危機を解決するものではなく、「すでに富んでいる者に報酬を与えるものだ」と批判している。
25日にBBCのテレビ番組に出演したクワーテング氏は、イギリスの経済成長促進の一環として減税を続けていきたいと語った。

投資家らは、アジアに遅れて始まるロンドンや欧州、アメリカの為替市場でのポンドの動きを注視する。
投資会社「Wealthi」のピーター・エショ共同創業者は、「あらゆる通貨が対ドルで売られているため、米ドル高の要素が大きい。しかしポンドについては、新政権が減税を行うというニュースによって下落し、インフレが悪化している」と指摘した。
「さらに、最近のエネルギー補助金やイングランド銀行(英中央銀行)が緊急利上げをするというニュースも加わり、ある種のパニックになっている」
一部の投資家は、イングランド銀がポンド下落を押しとどめるため、緊急策を取らざるを得ないのではないかとみている。
SPIアセット・マネージメントのマネージングパートナー、スティーヴン・イネス氏はBBCの取材に対し、「一時的にでも出血を止めるには、イングランド銀はインフレを引き下げるために『手段を選ばない』領域に入るかもしれない。市場での信頼を回復するために、早ければ今週中にも緊急会合で利上げが決定されるかもしれない。それは今日かもしれない」と述べた。










