ロシア人気歌手、侵攻批判し「スパイ」指定された夫に連帯 「私も指定して」

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ロシアの人気歌手アーラ・プガチョワ氏は18日、ウクライナ侵攻を批判してロシア当局から欧米などのスパイを意味する「外国のエージェント(代理人)」に指定された夫への連帯を表明し、自分のことも「外国のエージェント」に指定するよう求めた。
プガチョワ氏はロシアで最も人気のある歌手の1人で、数十年にわたり大スターとして活動している。
夫のマクシム・ガルキン氏は、同国でコメディアン、テレビ司会者、歌手として活躍。ロシアのウクライナ侵攻を非難し、16日に「外国のエージェント」に指定された。
プガチョワ氏はソーシャルメディアで、夫は「真の高潔なロシアの愛国者であり(中略)幻想的な目的のために若者が死んでいくのを終わらせたいと願っている」とした。
また、ウクライナにおけるロシア政府の「幻想的な目的」が「私たちの国をのけ者にし、私たち市民の生活を極めて困難なものにしている」と、プガチョワ氏は述べた。
そして、夫は「祖国の繁栄と平和、言論の自由」を望んでいると付け加えた。
ロシア政府は、政策を公然と批判するメディア組織や運動団体、個人に対して「外国のエージェント」というレッテルを貼っている。
夫は軍を残虐行為疑惑で非難
プガチョワ氏とガルキン氏は侵攻開始から1カ月がたった3月下旬にイスラエルへ出国。先月下旬、プガチョワ氏は子どもを連れてロシアに帰国した。
ロシア政府のドミトリー・ペスコフ大統領報道官は9月上旬、ガルキン氏について、「我々の道は明らかに分離している。彼は非常に悪い発言をしている」と述べていた。
ガルキン氏はロシア軍による残虐行為の疑いを非難し、ウクライナ侵攻を正当化することはできないとしている。

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ウラジーミル・プーチン大統領に批判的なロシア音楽界の重鎮、アルテミー・トロイツキー氏は、プガチョワ氏の介入は重要だとBBCに語った。トロイツキー氏は2014年にロシアを離れ、現在はエストニアで暮らしている。
「アーラ・プガチョワはロシアにおいて、約50年間で最大のポップスターだ」
「彼女の名声はとてつもないもので、伝説的な人物だ。夫のマクシム・ガルキンは数カ月目からすでに何度も反戦を表明しているので、今回の出来事は多くの人が予想していたことだと思う」
「声明は道徳的、感情的に強力」
トロイツキー氏はさらに、「彼女が力強い政治的発言をしたのは今回が初めてだと思う。当然ロシアの人々にとって非常にショッキングなことだ。世論を変える可能性があるのは彼女だけではないと思う。ロシア軍の明らかな悪行やウクライナ軍の攻勢、経済状況の悪化などあらゆる要因がプーチンや戦争に不利に働いている」と話した。
「アーラ・プガチョワの声明は道徳的にも感情的にも、こうした方向への取り組みにおいて最も強力なものの1つだと思う」
ロシアが2月24日にウクライナ侵攻を開始して以来、少なくとも5718人の民間人が死亡し、8199人が負傷したとの記録を、国連はまとめている。欧州全域で700万人以上のウクライナ人が難民となっている。
ただ、実際の民間人の死者数は、国連のまとめより何千人も多いとみられている。戦闘員も数万人が死傷している。
世界的なエネルギー供給国であるロシアは、侵攻に対して大規模な制裁を科した西側諸国との経済的な争いにも陥っている。








