ドイツ政府、冬の省エネ対策を承認 9月から公共施設の照明や暖房を制限

Gas line technician

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ドイツ政府は24日、公共施設における照明や暖房の使用を制限する、冬の省エネ対策を承認した。この新たな対策は9月に開始され、政府はガス使用量の2%削減を目指す。

向こう2年間で、一般家庭や企業、公共部門で合わせて約108億ユーロ(約1兆4800億円)の節電が可能になると、ロベルト・ハーベック経済相は説明した。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ドイツをはじめとする西側諸国はロシア産エネルギーへの依存度を下げようとしている。

侵攻開始前のドイツ国内のガス供給の55%はロシア産が占めていた。これを35%にまで減らし、いずれは輸入を完全に停止するとドイツは約束している。

それでも、ドイツは以前としてロシア政府にとって巨大な取引相手のままだ。開戦後の2カ月間では、ロシア産原油とガスに約90億ユーロ(約1兆2300億円)を支払っている。

ロシアはすでに、同国からドイツまでガスを送るパイプライン「ノルド・ストリーム1」を通じたガスの供給量を20%まで削減しており、今冬にも供給を断つのではないかとの懸念が高まっている

ハーベック経済相は記者団に対し、「ロシア産エネルギーの輸入という支配からできるだけ早く」解放されたいと語った。

ただ、「全体としては(新しい)措置で節電していくが、腰を下ろして『とりあえず今はこれでいいだろう』と言えるほどのものではない」と付け加えた。

Brandenburg Gate in Berlin

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画像説明, 独ベルリンのブランデンブルク門の景観照明は7月に消されることとなった

冬の省エネ対策の内容

9月から実施される新たな省エネ対策は、公共の建物の暖房の設定温度を最高19度までとし、入り口や廊下、ロビーなどの暖房は完全にオフにするというもの。ただし、病院などの施設は除外となる。

公共の記念碑や建物の景観照明も停止されるほか、企業でも夜間の店舗の照明が禁止される可能性がある。

プライベート・プールでの暖房の使用も禁止されるかもしれない。また、鉄道では石炭や石油を運ぶ貨物列車が旅客列車より優先されるため、乗客は待ち時間が増えることになる。

フォルカー・ウィッシング運輸相は、「現在、鉄道で不足の状況に陥っている」、「つまり一時的に燃料の追加輸送が必要な場合はそちらを優先することになる」と説明した。

貯蔵能力を向上

ドイツは、国民に対して電力消費量を減らす方法を伝える広報キャンペーンも計画している。

また、冬場の電力不足が懸念される中、北海沿岸に液化天然ガスターミナルを2カ所設置し、貯蔵能力を向上させようとしている。

欧州連合(EU)加盟国のほとんどは今冬、自主的にガス使用量を15%削減すると約束している。深刻なガス不足に陥った場合は、これが義務化される。

こうした中スペインではすでに、公共施設や大規模商業施設での冷暖房の設定温度を制限する規制を導入している。

スイスのシモネッタ・ソマルーガ・エネルギー相は24日、エネルギー危機を防ぐためにEUの計画に協調することは「間違いなく理にかなっている」と述べた。

また、同国の電力委員会は、ロシアからの供給量の変化による停電に備えて、各家庭にろうそくを買いだめするよう助言している。

ソマルーガ氏は今月初め、公共施設の暖房を弱める計画を実行できるよう努力すると述べていた。