トランプ氏を批判したリズ・チェイニー共和党議員、予備選で敗退 米ワイオミング州

Image shows Liz Cheney

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画像説明, リズ・チェイニー氏

米ワイオミング州で16日、中間選挙の候補者を決める予備選があり、共和党員として珍しくドナルド・トランプ前大統領を批判してきたリズ・チェイニー下院議員が敗北した。

チェイニー氏は、ディック・チェイニー元副大統領の娘で、下院議員を3期務めた。かつては共和党の期待の星だったが、この日の予備選では、政治家としては比較的新顔で、トランプ氏の支援を受けたハリエット・ヘイグマン氏に大敗した。

開票の結果、16日夜の時点で、ヘイグマン氏が30パーセントポイント以上の差をつけてリードした。米主要テレビ局のほとんどは、投票終了から間もなくして、ヘイグマン氏の勝利を伝えた。

チェイニー氏は、トランプ氏支持者らによる昨年1月の連邦議会襲撃事件を調査する、下院特別委員会に参加してきた共和党議員2人のうちの1人。

同事件の後、共和党議員10人が議会で、トランプ氏の弾劾に賛成した。その全員が今回、トランプ氏による報復の標的になった。

10人のうち4人が引退し、別の4人は予備選でトランプ氏が選んだ候補に敗れた。敗北したのは、ワイオミング、ワシントン、ミシガン、サウスカロライナの各州の共和党現職。

予備選を勝ち抜いて共和党候補となったのは2人しかいない。

Republican congressional candidate Harriet Hageman

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画像説明, ハリエット・ヘイグマン氏。かつてはリズ・チェイニー氏の友人だった

予備選前のワイオミング州の世論調査では、トランプ氏が敗れた2020年大統領選で「不正があった」と主張するヘイグマン氏が、チェイニー氏を大差でリードしていることが一貫して示されていた。

同大統領選では、ワイオミング州の有権者の7割がトランプ氏に投票した。

敗北演説で「反トランプ」を強調

チェイニー氏は16日夜、敗北を認める演説をした。2024年大統領選に立候補する可能性を示唆しているトランプ氏に対して、批判の手を緩めないと表明した。

「(昨年)1月6日(の連邦議会襲撃事件)以来、ドナルド・トランプが二度と大統領執務室に近づかないようにするために必要なことは何でもすると言ってきたが、それは本心だ」

チェイニー氏はまた、2020年大統領選で勝利したというトランプ氏の虚偽の主張を支持すれば、再選は簡単だっただろうと主張。

「私はその道を進むこともできたが、そうしようとは思わなかった」とした。

「自分を恥じよ」とトランプ氏

一方、トランプ氏は、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、ヘイグマン氏の勝利を祝福。

「リズ・チェイニーは、自分自身、自分の行動、そして他人に対する悪意に満ちて聖人ぶった言動を恥じるべきだ」とした。

そして、「彼女はようやく政治的忘却のかなたに消えることができる。そこにいる方が、彼女は今よりずっと幸せになれると確信している」と書いた。

チェイニー氏に勝ったヘイグマン氏は、トランプ氏の支持を受けたことが勝因だと強調した。

「ワイオミング州はエリートに警告を発した」、「私たちを代表しない議員を、私たちはもう認めない」。

州民たちの声

ワイオミング州民の一部は、チェイニー氏に対する嫌悪感をBBCに語った。

キャスパー市で開催された子どものロデオ大会の会場では、「私たちはディック・チェイニーが本当に好きだったが、彼女はやり過ぎだ」という意見が聞かれた。

一方、チェイニー氏を応援するため、自らの登録を民主党から共和党に変更して、予備選を迎えた人もいた。

ある中年女性は、「リズ・チェイニーの発言に賛成したことは一度もないが、民主主義のために闘う彼女の姿は尊敬していた」と話した。

同年代の男性も、「私は民主党員だが、リズ・チェイニーに投票した。彼女は真実のために立ち上がったが、それこそがこの国に必要だからだ」と述べた。

動画説明, トランプ氏の「敵」リズ・チェイニー氏、有権者はどう見ていたのか