ジョンソン首相、自分の辞任求めた閣僚を解任 要職者続々辞任も政権維持の構え

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イギリスのボリス・ジョンソン首相は6日、マイケル・ゴーヴ・レベリングアップ(平準化、地域活性化)担当相を解任した。ゴーヴ氏は首相に辞任を求めていた。英政界では前日以来、閣僚や政権幹部の辞任が続き、首相は窮地に立たされているが、引き続き政権を担う姿勢を見せている。
ジョンソン氏はこの日の夜、ゴーヴ氏に電話で解任を伝えた。
首相官邸関係者は、「主要テーマで(政権を)支持せず、リーダーは辞めなければならないと報道機関にうれしそうに話すヘビはいらない」と、解任について述べた。
ゴーヴ氏は、2016年6月の国民投票などブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)についてはジョンソン氏と共闘した。しかし、2016年の保守党党首選ではジョンソン氏に立候補を断念させるなど、両氏の関係は必ずしも常に良好ではなかった。
ジョンソン政権をめぐっては、リシ・スーナク財務相とサジド・ジャヴィド保健相が5日、首相を信頼できなくなったとして辞職した。痴漢行為をしたと報じられた議員を、ジョンソン氏が与党・保守党の要職に任命していたことを問題視していた。
閣僚らの抗議の辞任は6日も広がった。ウェールズ担当相のサイモン・ハート氏が閣僚として3人目の辞任を発表した。辞任した政府関係者は40人を超え、24時間の間に辞めた人数としては過去最高となった。
首相の辞任を求める声も高まっている。首相のかつての盟友のプリティ・パテル内相も、辞任を要求する政権幹部らに加わった。
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ジョンソン氏はこの日、議会下院の連絡委員会で、経済問題とウクライナでの戦争のさなかに「立ち去る」のは正しくないと主張。議会を解散し総選挙にはなることはないとし、次の総選挙は最も早くて2024年だと述べた。
ジョンソン氏については、6日中に官邸で辞任を表明するとの憶測が流れた。しかし、官邸関係者はこれを否定。「首相は戦い続ける」と述べた。

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政府要職の2割が辞任
ゴーヴ氏の解任に促される格好で、政府関係者数十人がこの日、辞任した。
レベリングアップ省のダニー・クルーガー政務秘書官は辞任にあたり、ゴーヴ氏の解任は「非常に残念だ」とコメント。「私が今日、官邸に伝えたとおり、首相が辞任すべきだ」と述べた。
ゴーヴ氏の解任により、ジョンソン氏が推進してきたレベリングアップ(平準化、地域活性化)政策の担当省には、有給の政務官としてはエディ・ヒューズ議員しか残っていない。
解任や辞任は、さらなる辞任の波を引き起こしている。政府要職にある議員の5人に1人が職を辞している。
この日、ジョンソン氏に辞任を求めた政権幹部は、パテル内相のほか、クリス・ヒートン=ハリス与党院内幹事長、グラント・シャップス運輸相、ハート・ウェールズ担当相など。
ハート氏はその後、辞任を発表。ジョンソン氏の「針路変更」に協力したかったが、「それが可能な段階は過ぎてしまった」と述べた。
クワシ・クワーテン・ビジネス相も、首相は辞任すべきだと、院内幹事長に伝えたとされる。
BBCのクリス・メイソン政治編集長は、ジョンソン氏の権威は明らかに失墜していると報告。「ジョンソン政権の終わりは間近に迫っていると思われる」と伝えた。
どのような場合に辞任するのか
ただ、主要閣僚の何人かは、ジョンソン氏を支持している。
BBCの取材では、ジョンソン氏は閣僚たちに、自分は「何百万人」もの票を得たと強調している。後継者となる人が「次の選挙でその成功を再現できるのか」と疑問視しているとみられる。
そうしたなか、保守党の党首選を取り仕切る「1922年委員会」の執行部は、信任投票から1年間は新たな信任投票を開かないとする現行規則について、変更するかどうかの決定を先送りした。
一方で、同委員会の委員選挙は前倒しされ、来週実施されることになった。
ジョンソン氏は先月、党首信任投票で与党議員の58.8%の信任を得て、危機を乗り越えた。


ジョンソン氏が辞任するとすれば、党規則が変更されて新たな信任投票で不信任とされるか、あるいは閣僚らの相次ぐ辞任でもはや政権を維持できないと自ら判断した場合の、どちらかだ。











