ジョンソン英政権から辞任の財務相と保健相、共通項はスター・ウォーズ愛だけではなく

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サジド・ジャヴィド氏(52)とリシ・スーナク氏(42)は5日、ほぼ同時にボリス・ジョンソン英政権の主要閣僚の座を抗議辞任した。辞表公表のタイミングは、数分と離れていなかった。2人は今のこの政局にあって、盟友に見え る。しかし2人はそもそも、友人同士なのだ。
保健相だったジャヴィド氏と、財務相だったスーナク氏は、どちらも特に裕福な家庭の出身ではない。共に投資銀行で働き財を成し、政界入りした。
加えて2人は「スター・ウォーズ」シリーズを愛していて、愛好者ぶりを堂々と披露してきた。
2020年2月に、当時は財務相だったジャヴィド氏が、ジョンソン氏の首相顧問だったドミニク・カミングス氏との権力争いに敗れて辞任した際、ジャヴィド氏は後任のスーナク氏についてこうツイートしていた。「若いスーナクの内なるフォースは強い」と。
その約1年前には、財務省でジャヴィド財務相のナンバー2だったスーナク氏が、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を映画館で一緒に見たばかりの自分たちの写真を、ツイート。「ボスと一緒に出かけて最高の夜。ボスはジェダイ・マスター」だと書いていた。
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2人は思想的にもぴったり一致している。自分たちは、減税と支出削減を重視する保守党内のサッチャー主義者の一翼を担っていると自認しているのだ。
現政権下では、平時としてはかつてないほど税負担率が上がっている。しかし、スーナク財務相は今年3月には、次の総選挙の前に所得税を減らすと、異例の公約をした。
辞表の中でスーナク氏は、ジョンソン首相の政治方針が自分のと「根本的に違いすぎている」として、経済立て直しに必要な「難しい決定」を首相は避けているのだと示唆した。
ジャヴィド氏も財政保守派を自認し、昨年6月に保健相に就任する前には、インフレの悪化と公的債務拡大の危険について警告していた。
スーナク氏と同様、ジャヴィド氏も2009年に初当選した時から頭角を現し、いずれは党首候補にと目されていた。両氏は一時期、かつての労働党のトニー・ブレア氏とゴードン・ブレア氏のような首相と財務相のコンビになるのではないかとも言われていた。
2人の来歴
ジャヴィド氏はパキスタン移民の両親のもと、北部マンチェスター近郊ロッチデイルに生まれた。1961年にパキスタンの村からイギリスへ渡り、バスの車掌になった父親は、渡英当時の所持金はわずか5ポンドだったという。ジャヴィド氏は英エクセター大学を経て、金融業界に入り、ドイツ銀行の幹部になった。
スーナク氏の生まれ育った家庭は、ジャヴィド氏よりは裕福だった。父親は総合医で、母親は調剤薬局を経営。スーナク氏は有名私立のウィンチェスター校に通った。英オックスフォード大学や米スタンフォード大学を経て、金融業界に入り、ゴールドマン・サックスやヘッジファンドで財を築いた。
2015年に初当選したスーナク氏は、保守党党首としてジョンソン氏の後任と目されていたこともあった。
しかし、新型コロナウイルス対策のロックダウン中に首相官邸などの政府機関で数々のパーティーが開催されていた問題に絡み、ジョンソン首相と共にスーナク氏にも罰金が科せられたことや、インド出身の妻アクシャタ・ムルティさんが巨額の海外資産についてイギリスの所得税を納めていなかったことなどから、スーナク氏の党首、そして首相への道は今のところ断たれたかに見えている。
辞表の中でスーナク氏は、「これが自分にとって最後の閣僚ポストかもしれないと、承知している」と書いている。
今や前財務相となったスーナク氏のこの言葉が、謙遜しすぎなのか、それとも事実なのかは、これから数日の内に明らかになる。「スター・ウォーズ」ファンの両氏のフォースが、どこまで続くのかも、数日の内に分かるだろう。











