G7、6000億ドルの途上国インフラ投資へ 中国の「一帯一路」に対抗

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ドイツ南部エルマウで26日に始まった主要7カ国(G7)首脳会議で、各国は途上国へのインフラ投資を促進する新しい枠組み「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」を発足させた。投資総額6000億ドル(約81兆円)を目指す。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への対抗を意図したものと見られている。
PGIIは、昨年6月にイギリス南西部コーンウォールで開かれたG7首脳会議で提示された構想を、さらに固めたもの。低所得と中所得の国々へのインフラ整備のため、2027年までに総額6000億ドルの投資を目指す。
米政府は助成金や連邦政府資金のほか、民間資金も含めて2000億ドル(約27兆円)を調達すると表明。欧州連合(EU)は3000億ユーロ(約43兆円)の拠出を約束した。
ジョー・バイデン米大統領は、PGII構想は当事者全員の利益につながると説明。「はっきりさせておきたい。これは援助でも事前でもない。これは全員に利益をもたらす投資だ」と述べた。PGIIに参加する諸国は、「民主国家と提携する確かなメリットを目にする」ことになるとも話した。
中国が進める数兆ドル規模のインフラ投資計画は、発展途上国の債務拡大と財政悪化につながる危険が指摘されている。習近平主席が2013年に立ち上げた「一帯一路」構想は、港湾や道路、橋など新興国のインフラ整備を支援する。これを通じて中国と支援対象国の貿易関係が構築される一方、多額債務を抱える国が債務不履行に陥れば、中国が国家資産を差し押さえる可能性も警戒されている。
気候変動対策や世界的医療のため
G7首脳が発表したPGII計画は、気候変動対策、世界的な健康状態の改善、ジェンダー平等の実現、デジタル・インフラの構築などに取り組むという。
注目される投資事業の中には、アンゴラの太陽光発電を使う計画、セネガルにおけるワクチン製造施設の建設、エジプトやアフリカの角を経由してシンガポールとフランスを結ぶ全長1609キロの水中通信ケーブルの設置、などが含まれる。
G7首脳会議に出席している欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、PGII計画の目標は、「私たちと連携する途上国に、選択肢があるのだと示すため、前向きで強力な投資のきっかけ」を提示することだったと話した。
昨年の英コーンウォールでのG7首脳会議では、この計画は「より良い世界再建」(Build Back Better World)構想と呼ばれていた。アメリカ主導だったが、進展に乏しく、PGII計画に名前を変えて、今回の首脳会議で復活した。









