G7サミット開幕 各国首脳、内政問題を抱えながらウクライナ情勢など協議

クリス・メイソン政治編集長、BBCニュース

Macron and Johnson

画像提供, PA Media

画像説明, G7サミット会場で写真撮影に臨んだフランスのマクロン大統領(左)とイギリスのジョンソン首相

主要7カ国首脳会議(G7サミット)が26日、ドイツ南部エルマウで始まった。バイエルンの美しい山野の中、1つの根本的な真実が際立っている。

民主主義国家が集まるこの会議では、各国首脳が自国の政治的、社会的ムードに沿った姿勢をそれとなく見せる。時には国による違いがはっきり表れる。

G7にはロシアという敵がいる。ロシアの指導者は、民主主義の圧力とは無縁だ。そして、西側の政治体制の弱点を鋭く見抜いている。

ここでは今、アルプスの山並みを背景に、厳重警備のもと、事前打ち合わせどおりの振る舞い、握手、笑顔の写真撮影が続いている。そうした中で、G7各国の力点の違いや、G7の存在を広く世界に印象づけたいという各国の願望を、順に検討していくのは意味のあることだ。

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Presentational white space

まず、内輪での違いだ。

イギリスのボリス・ジョンソン首相は、国内の政治問題に追い立てられながら、英連邦加盟国首脳会議が開かれていたルワンダからこの地に北上して来た。これは、よく知られていることだ。

首相は数日後には、スペインで開催される北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議へ向かうが、その時も内政問題に追い立てられているはずだ。

ジョンソン氏は1週間、イギリスを出ている。同国では保守党の閣僚ら地元に戻り、首相の将来について内々に考えを巡らせるだろう。

ただ、国内政治の圧力に直面している指導者は、ジョンソン氏だけではない。

解決急げば「不安定化招く」

例えば、フランスのエマニュエル・マクロン大統領だ。大統領に再選されてから数カ月の選挙で、フランス国民議会(下院)の主導権を失った

イギリス政府は、ドイツと、特にフランスが、ウクライナでの戦争から派生する国内の政治圧力を強く感じていると見みている。

英官邸は、ジョンソン首相とマクロン大統領の会談後、「首相は、紛争をいま収束させようとすれば、永続的な不安定状態を招き、プーチン(ロシア大統領)が主権国家と国際市場の両方を永久に操作することを許可してしまうだけだと強調した」と話した。

リズ・トラス英外相もかなり似たようなことを、ウクライナの外相と連名で、英紙サンデー・テレグラフに寄稿している。

英官邸は公式には、マクロン大統領について、ウクライナに「膨大な」支援をしてきたと述べている。だが内々では、長期戦やそれに伴う負担を担う意欲をフランスが失いつつあると、英政府は懸念している。

「ギアチェンジ」と「ゲームチェンジャー」

G7内の外交を超えて、G7以外の国々を安心させようとする努力もみられる。物価上昇について、ロシアによる侵攻と同じくらい西側による制裁を非難している国もある。

アルゼンチン、インド、南アフリカなどは、今回のサミットの議論に加わるよう招待された。

27日には、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスの主要4カ国が会合を開くという。

ジョンソン首相の周辺は、制裁の「ギアチェンジ」が必要だとし、ロシア産金の禁輸は、そうした役割を果たす追加制裁だと考えている。また、軍事支援で形勢逆転につながるいわゆる「ゲームチェンジャー」も必要だとしている。そうした支援については、スペイン・マドリードで開かれるNATO首脳会議で協議される予定だ。

それらの実現には、今週もその先も、説得と忍耐が必要になる。そしてそれは、犠牲を伴う。