ロシア、首都キーウなどウクライナ各地をミサイル攻撃 G7はウクライナ支援で結束

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ロシア軍は26日、ウクライナの首都キーウの集合住宅をはじめ、同国各地で多数の標的を攻撃した。同じ日に主要7カ国(G7)の首脳会議が南ドイツで始まり、各国首脳は口々に、ウクライナ支援のための結束を表明した。
ロシアによるキーウへのミサイル攻撃は、ここ数カ月間で最も激しいものとなった。ウクライナによると、26日にキーウへはミサイル14発が撃ち込まれた。そほのか、中部チェルカシーで、ロシア軍の砲撃により1人が死亡した。北東部ハルキウ州でも攻撃が相次いだ。
ロシア軍が前回、キーウに大規模なミサイル攻撃をしかけたのは、6月5日。その時は鉄道修理工場が破壊された。
保育園の庭に大きな穴
26日の攻撃で、キーウ中心部にある9階建ての集合住宅が破壊され、少なくとも1人が死亡したほか、7歳の女の子を含む6人が負傷した。負傷した女の子は手術を受け、「容体は安定している」とウクライナ当局は話している。女の子の母親もがれきの下から救出され、病院へ搬送された。
破壊された集合住宅の近くにある保育園の園庭には、爆発で大きな穴が開いた。


ウクライナ軍によると、一部のミサイルは、カスピ海を超えて約1450キロ離れた位置からロシア軍のツポレフ爆撃機が発射したという。ウクライナ軍は前日25日には、隣国ベラルーシからツポレフ爆撃機がミサイルを発射したと述べていた。
ロシア国防省は、26日に精密兵器が北部チェルニヒウ州、北西部ジトミル州、西部リヴィウ州にある、ウクライナ軍の訓練施設を攻撃したと発表した。リヴィウ州スタリチ地区の攻撃地点は、ポーランド国境から約30キロしか離れていない。ポーランドは北大西洋条約機構(NATO)加盟国。
キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、この日の首都などへのロシアの攻撃は、G7首脳会議を前にウクライナを威圧することを目的にしていると述べた。

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G7首脳は対ロ結束を強調
26日にはG7各国の首脳がドイツ南部エルマウ城に集まった。3日間の会議では、ロシアのウクライナ侵攻が主要議題になる。G7はウクライナ支援拡大と対ロ追加制裁を約束する見通し。
議長国ドイツのオラフ・ショルツ首相は、ウクライナについてG7は団結しており、それがロシアのウラジーミル・プーチン大統領への明確なメッセージだと述べた。「私たちは互いの世界観と、民主主義や法治主義を信じるという点で一致している」と、首相は強調した。
首脳会議が始まる直前、ジョー・バイデン米大統領はショルツ独首相に「我々は共同歩調を維持する必要がある」と述べた。
「NATOやG7が何らかの形で分裂することを、プーチンは最初から期待していた(中略)しかし、我々は分裂していないし、今後もしない」とバイデン氏は述べ、「このような形の侵略を行い、そのままおとがめなしになるなど、認めるわけにはいかない」と強調した。

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ボリス・ジョンソン英首相はエマニュエル・マクロン仏大統領と会談。ジョンソン首相の報道官は、「紛争の経緯できわめて重要な段階に差しかかっており、潮目を変える機会があると、両首脳は合意した」と話した。両首脳はウクライナへの軍事援助を継続することでも合意したという。
ジョンソン首相はさらに、「現時点で紛争を収束させようとする取り組み」は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の侵略行為に「許可を与える」ことになり、不安定状態の長期化を呼び込むだけだと指摘。かさむ戦費について各国首脳は正直に認める必要があるものの、ロシアが成功することの代償のほうが「はるかに高くつく」とも述べたという。
ロシア軍が東部要衝を制圧
現地で首脳会議を取材しているBBCのジェイムズ・ランデイル外交担当編集委員は、ウクライナに関する西側の結束はこのところ揺らいでおり、一部の国がウクライナへの強力な支援の継続を呼びかける一方で、ロシアとの長期的関係に言及する首脳も出ていると指摘。ただし、ドイツ南部に集まった首脳たちは、立場の違いをなくす覚悟でいるという。
ロシアの国際的孤立は深まっているものの、ロシア軍はウクライナ東部で戦果を拡大し、25日には主要都市セヴェロドネツクを制圧した。
セヴェロドネツクを含む東部ドンバス地方は、ウクライナの一大工業地帯。ここを支配しようとするロシアと、防戦するウクライナとの戦いは、消耗戦になりつつあると、複数の軍事専門家が指摘する。ウクライナは火力でロシア軍に劣っており、ウクライナ政府は長距離重火器の供与を急ぐよう、西側諸国にあらためて呼びかけている。









