ロシア軍、東部主要市で攻勢強める 入隊年齢を50歳まで引き上げへ

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ウクライナを侵攻しているロシアは、東部ドンバス地方の主要都市セヴェロドネツクの近郊まで軍を進めた。同市の完全掌握を狙い、攻勢を強めているとみられる。一方、ロシア議会は、兵士の死傷が相次ぐ中、軍入隊の年齢制限を50歳に引き上げる法案を可決した。
ウクライナは、ドンバス地方でロシア軍の爆撃が昼夜を問わず続いているとしている。
一部報道では、ロシアがセヴェロドネツク南西部に続く幹線道路を支配下に置いたとされる。
しかし、同市があるルハンスク州のセルヒィ・ハイダイ知事はBBCに、報道は間違いだと主張。「ルハンスクは孤立していない」、「ロシア軍は市を奪えないので破壊し、私たちの部隊を市から追い出すことに決めた」と述べた。
ハイダイ知事はテレグラムに、24日の爆撃で6人が死亡したと投稿した。
ロシアは現在、ルハンスク州のほぼ全域を掌握している。同州はドンバス地方を構成する2州のうちの1つ。

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ドンバス地方の前線付近で取材を続けるBBCのジェレミー・ボウエン記者は、ウクライナ軍が現在、ロシアの侵攻が始まった直後以来の緊迫した局面を迎えていると伝えている。
ボウエン記者は前線付近で、戦闘に巻き込まれて動けなくなった民間人男性のミトラさんに、ロシアがドンバス全域を支配下に置くとする取り決めを受け入れる考えがあるか聞いた。
男性は、「わからない。それで何が変わるというのか。大事なのは生き残ることだ」と答えた。
ロシアが軍入隊の上限を50歳に引き上げ
ロシア議会は、軍入隊の年齢制限を50歳に引き上げる法案を可決した。ウクライナで兵士の死傷者が増える中、ロシアは志願兵を増やそうとしている。
現行の法律では、18~40歳のロシア人と18~30歳の外国人だけが、ロシアの職業軍人になれる。
新たな法律により、50歳までのロシア人と外国人が、軍と契約できるようになる。
法案に添えられたメモは、「高精度の武器を使用し、武器や軍事機器を操作するためには、高度の専門家が必要だ」とし、そのような専門家は40~45歳でも軍人になることができるとしている。
ほかにも、民間の医療関係者や技師、通信技術の専門家などの入隊を促すねらいがあるという。
ロシア国籍の付与を簡素化
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ南部のザポリッジャとヘルソン地域の住民にロシア国籍を与える手続きを、簡素化するよう命じた。
ヘルソンは、ウクライナの主要都市の中で唯一、ロシアが占領している。
ウクライナ外務省は、「パスポートの違法な発行は(中略)ウクライナの主権と領土保全、そして国際人道法の規範と原則に対する明白な違反だ」とする声明を出した。
プーチン氏、病院で負傷兵を見舞う
プーチン氏は25日、モスクワのマンドリカ軍事病院を訪れ、ウクライナで負傷した兵士を見舞い、英雄としてたたえた。
ロシアがウクライナを侵攻して以降、こうした面会は初めて。
プーチン氏は兵士たちと握手を交わし、兵士の1人に赤ちゃんの息子について尋ね、「彼はお父さんを誇りに思うはずだ」と述べた。
プーチン氏は面会後、「この人たちは、ドンバスの人々や子どもたちのため、ロシアのため、自身の健康と命を危険にさらしている。全員が英雄だ」と関係者に語った。

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置き去りのロシア兵遺体、ウクライナが確認
首都キーウ近郊では、戦死したロシア軍兵士の遺体の身元確認を、ウクライナ当局が進めている。
ロシアは「国民を置き去りにはしない」というスローガンを誇り高く掲げている。だが、ウクライナ当局によると、ロシアは兵士の遺体を取り戻すことにあまり関心がないという。
ウクライナ軍のウォロディミル・リアムジン大佐はBBCに、「私たちが見つけた遺体から、兵士たちがまるでくずのように、砲弾の餌食(えじき)のように扱われていたことがわかる」と話した。
「ロシアは兵士を必要だと思っていない。ここに投入し、撤退する。遺体は放置する」
一方、ウクライナ兵士の遺体についても、政府は戦場からの収容に積極的ではないと、遺族らから批判の声が上がっている。

ロシアによる食料戦
ロシアは、同国に対する制裁の一部解除と引き換えに、ウクライナからの食料運搬船に安全な航路を提供すると申し出た。ロシアのインタファクス通信が、アンドレイ・ルデンコ外務次官の話として伝えた。
ウクライナは侵攻を受ける前、黒海の港から世界各国に穀物を供給していた。しかし、ロシアによる海上封鎖のため、穀物などの重要な食料品を国外に出荷できずにいる。

この封鎖が、世界的な食料価格の高騰の一因となっている。
西側各国は、ロシア軍が食料供給を人質に取り、世界中の何百万人もに影響を与えていると非難している。











