米国務長官、ウクライナ侵攻の懸念「さらに高まった」 ロシアの軍事演習延長で

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アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は20日、ベラルーシで行われているロシアとベラルーシの合同軍事演習が延長されたことを受け、ウクライナ侵攻が差し迫っている懸念がさらに高まったと述べた。
ブリンケン国務長官は、ウクライナ東部での緊張が高まる中、ロシア政府がウクライナの隣国ベラルーシに約3万人規模の部隊を留める決定を下したことが、侵攻の可能性の高まりを示唆していると述べた。
ベラルーシは声明で、20日に終了する予定だった同国内での合同軍事演習を延長する理由の1つに、ウクライナ東部の「情勢悪化」を挙げた。
ウクライナ情勢をめぐっては、アメリカの情報筋がロシアの司令官がウクライナ侵攻を命じられたと述べたと、米メディアが報じていた。
一方でウクライナ側は、ロシアによる侵攻が差し迫っているという話は「不適切」だとしている。
ウクライナのアレクセイ・レズニコフ国防相は、国境付近ではまだロシアの「打撃群」はつくられておらず、「明日や明後日」に攻撃が起こる可能性は低いと述べた。

ロシアはかねてから、ベラルーシ侵攻は計画していないとしている。
ウクライナ東部ドンバス地方では先週末、ロシアの後ろ盾を受けた分離派と、ウクライナ政府軍の衝突が激化する中、複数の爆発が続いた。
「侵攻の瀬戸際に」
ブリンケン氏は、ウクライナ東部の緊張状態に加え、軍事演習の延長やロシア軍部隊の増強が、ウクライナ侵攻が差し迫っていることを示唆していると指摘。
米CNNに対し、「我々が目の当たりにしていること全てが、事態がひどく深刻で、侵攻の瀬戸際にあることを示唆している」と述べた。
「実際に戦車が展開され、(ロシア軍機が)飛来するような事態になるまでは、外交によってプーチン大統領を思いとどまらせる余地があるか、我々はあらゆる機会や残されている時間を使うつもりだ」
ブリンケン氏の発言に先立ち、米メディアは米政府がロシアが間もなく攻撃を開始する可能性があると考えているとの未確認情報を報じた。
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米CBSニュースは、現地にいるロシア軍司令官がウクライナ侵攻を進めるよう指示を受けており、今は攻撃方法について具体的な作戦を立てているとの情報をアメリカが得たと伝えた。
報道によると、ウクライナ侵攻はサイバー攻撃から始まり、ミサイル攻撃や空爆が行われる。その後、地上部隊が首都キーウ(キエフ)を制圧すると計画いう。
また、ある匿名の情報当局筋は米CNNに対し、ロシア軍の通常戦力の75%近くがウクライナ国境で態勢を整えていると語った。ロシア軍がウクライナを攻撃可能な距離に集結しているのは極めて異例だという。
衛星映像会社の米マクサーは20日、ウクライナ国境付近にあるロシア軍の駐屯地から複数の装甲車や部隊が新たに展開され、軍事態勢が強化されたことを示しているとする衛星画像を公開した。

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ウクライナ東部ではこのところ、政府軍と親ロシア派武装勢力との衝突が相次いでいる。20日には、双方が停戦合意違反があったと非難し合った。国際監視団が停戦違反が劇的に増加していると伝える中、19日にはウクライナ兵2人が死亡した。
数千人の民間人が親ロシア派の支配地域からロシア側へ避難している。一方で、戦闘に駆り出される年齢に達している男性は現地に動員されている。
アメリカはウクライナ東部ドネツク州とルハンスク州に最大19万人規模のロシア軍部隊が集結していると推計している。
プーチン氏は、社会的・文化的に密接なつながりのあるウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を認めないよう保証を求めているが、西側諸国はこの要求を拒否している。









