ロシアがウクライナ侵攻の「口実でっち上げ」を計画 米高官が主張

Ukrainian troops near frontline with separatist rebels

画像提供, Reuters

画像説明, ウクライナ東部ドンバス地方のウクライナ軍兵士。同地方では、ロシアの支援を受けた分離派とウクライナ軍が8年にわたって戦闘を続けている

アメリカの政府高官は3日、ロシアがウクライナ侵攻の口実を偽造しようとしているとの見方を示した。ウクライナ軍によって、ロシアが支援するウクライナの分離派や、ロシアそのものが攻撃されたと、虚偽の非難をロシアが展開する計画があるという。

複数の米政府高官は、ロシア安全保障当局が検討しているとみられる計画の1つとして、偽の攻撃による被害状況を作り出し、それを撮影するというものがあるとした。

ウクライナ東部ドンバス地方で、爆弾によって多数の死傷者が出ているかのような映像を製作。ウクライナ当局に対する怒りを生み出すのが狙いだという。

映像には死体、破壊跡、偽のウクライナ軍の兵器、トルコ製のドローン、役者が演じるロシア語で悲嘆に暮れる人々などが登場するとみられると、米政府高官は話した。

ロシアがこれを、ウクライナ攻撃の正当化に使うことが考えられるという。

一方のロシアは、敵になりすました作戦は計画していないとした。

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ロシアは軍の兵士約10万人をウクライナ国境付近に集結させている。

北大西洋条約機構(NATO)は、ロシアがさらに3万人の部隊を隣国ベラルーシに送り込む可能性が高いと懸念を表明。特殊部隊や戦闘機、短距離巡航ミサイルなども配備される予定で、冷戦以来の規模だと警戒している。

ロシアは、訓練のための部隊配置であり、侵攻の予定はないとしている。

「思いとどまらせるため」

米政府高官は、口実作りの動きについて、ロシアが検討している選択肢の1つに過ぎないと強調。公表したのは、「ロシアに意図している行動を思いとどまらせるため」だと説明した。

イギリスのリズ・トラス外相は、米政府高官が明らかにした情報について、「ロシアが挑発を受けずに侵攻し、ウクライナを不安定にする不正行為をすることの、明確で衝撃的な証拠だ」と述べた。

その上で、イギリスはロシアの意図を強く非難し、同盟国と共にロシアの策略とプロパガンダを表に出していくとした。

一方、ロシア政府のディミトリ・ペスコフ報道官は、「似たようなことが以前も言われた。しかし何もなかった」と述べた。同国のタス通信が伝えた。

動画説明, 緊迫のウクライナ情勢 BBCのロズ・アトキンスが解説

外交努力が続く

ウクライナ情勢をめぐっては、アメリカが2日、3000人規模の部隊を東欧とドイツに追加派遣すると発表。ロシアは「破壊的」な措置だと批判した。

ロシアによるウクライナ侵攻はヨーロッパの本格戦争につながりかねないとの見方が出る中、これを食い止めようとする外交努力が3日も続けられた。

トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領はウクライナを訪問。同国とロシアの橋渡し役を務めると改めて持ちかけた。トルコはウクライナ、ロシア両国と良好な関係を保っている。

一方、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の2人と電話で協議。緊張緩和を目指した。

Graphic showing positioning of Russian troops..
画像説明, ウクライナ(UKRAINE)国境付近にロシア部隊が配置されている。赤丸は恒久的に配置されている場所で、丸の大きさは規模(1000人、4000人、6000人など)を示す。黒い印は新たに部隊が配置された場所(規模は未確認)。ベラルーシ(BELARUS)国内のロシア部隊についてはおおよその場所を示している 出典:Rochan Consulting