米ロ、国連安保理で激しく対立 ウクライナ情勢めぐり

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緊迫するウクライナ情勢をめぐり、国連の安全保障理事会が1月31日に開かれ、ロシアとアメリカが怒りをあらわにして言い争った。
ロシアはウクライナ国境付近に、推定10万人の兵士と戦車、大砲、ミサイルを配置している。
アメリカのリンダ・トーマス=グリーンフィールド国連大使は、ロシア軍の動きについて、ヨーロッパにおける過去数十年で最大の兵の動員だと述べた。
これに対しロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、アメリカが不安をあおっていると非難。ロシアの問題に介入することは受け入れられないとした。
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アメリカとイギリスは、ロシアがウクライナに侵攻した場合、さらなる制裁を科すと表明している。
イギリスのリズ・トラス外相は31日、ロシア政府に近い個人や企業を、現在より範囲を広げて制裁対象とする法案を準備していると述べた。
米当局者はアメリカの制裁について、ロシア政府に近い人物を国際金融システムから切り離すことだと説明した。

ロシアの主張
この日の安保理は、ロシアが非公開にするよう求めたが、投票の結果10対2で公開となった。
ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナに対する軍事行動をロシアが計画している証拠はないと主張。ロシア軍の増強についても、国連によって確認されていないと訴えた。
そして、ロシアが国内で部隊を移動させることはよくあり、アメリカが首を突っ込むことではないとした。
また、アメリカのジョー・バイデン政権は「緊張と言葉の応酬をあおり、激化させている」と発言。
「わが国の内政問題への容認できない介入であるだけでなく、当該地域の真の状況と、現在の国際的な緊張の原因について、国際社会に誤った印象を与えようとするものだ」と述べた。
アメリカの主張
アメリカのトーマス=グリーンフィールド国連大使は、外交によって解決できるとアメリカは信じ続けていると説明。しかしロシアがウクライナを侵攻した場合は、アメリカは断固とした行動を取るとし、その結果は「恐ろしい」ものになるだろうと述べた。
また、「ヨーロッパにおける兵の動員としては、過去数十年間で(中略)今回が最大だ」、「こうしている間にも、ロシアはさらに部隊と兵器を送っている」と主張した。
さらにロシアについて、隣国ベラルーシに派遣している部隊を3万人規模に増強する計画だとした。ベラルーシはウクライナのすぐ北に位置している。

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アメリカは31日夜、ベラルーシの米大使館職員の家族に国外退避を命じた。「異常で気がかりなロシア軍の増強」が理由だとした。同様の命令は先月、ウクライナの米大使館職員の家族に対しても出されている。
外交努力
ウクライナ情勢をめぐる外交努力は他でも続いている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は31日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と電話で協議した。
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官とロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は1日に電話協議を予定している。
ロシアは西側に対し、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟しないことの約束を求めている。アメリカはこれを拒んでいる。
NATOにはアメリカやイギリスの他、旧ソビエト連邦構成国のリトアニア、ラトヴィア、エストニアなど、計30カ国が加盟している。加盟国は、武力攻撃があった場合に相互に支援し合うことで合意している。ロシアはNATOの東方拡大を、安全保障上の直接的な脅威とみている。
プーチン大統領は以前から、NATOが東方に拡大しないことを保証した1990年の合意に、アメリカは違反したと訴えている。ただ、合意内容をめぐっては解釈が分かれている。
ロシアは2014年にウクライナ南部のクリミア地域を併合した。また、ウクライナ東部ドンバス地域で分離派を支援している。ウクライナ軍と分離派の戦いでは、これまでに約1万4000人が亡くなっている。










