ジョンソン英首相、東欧への増派を検討 ウクライナ情勢緊迫
ジョージ・ボウデン、BBCニュース

画像提供, Andrew Parsons/No 10
ウクライナ情勢が緊迫度を増す中、イギリスは29日、ロシアへの圧力を強めるため、東欧への英軍派兵の倍増を提案するか検討していることを明らかにした。
ボリス・ジョンソン首相は、増派した場合、「ロシア政府に明確なメッセージ」を送ることになると述べた。
首相官邸は増派に加え、バルト海に面したエストニアに防衛兵器を送ることもありうるとした。また、北大西洋条約機構(NATO)同盟国を守るため、高速の戦闘機や戦艦、特別部隊員らを派遣する可能性もあるとした。
イギリスは現在、エストニアに英兵900人超を駐留させている。ウクライナには同国軍を訓練する目的で、英兵100人超を送っている。隣国ポーランドには小規模機甲部隊の約150人を派遣している。
イギリスの国防、外務担当の閣僚は近く、モスクワでロシア側の閣僚と会い、緊張緩和を目指す。
ジョンソン首相は数日内に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話で協議する予定。今週中の東欧訪問も予定している。
「派兵準備を命令した」
ジョンソン首相は、ロシアによる「不安定化行動」をイギリスは容認しないと表明。「私たちは常にNATO同盟国を支持する」とした。
また、「プーチン大統領が流血と破壊の道を選ぶなら、ヨーロッパにとって悲劇となる。ウクライナは、自国の未来を自由に選べて当然だ」と主張。
「私は英軍に対し、来週にもヨーロッパ各地で展開できるよう準備を命じた。NATO同盟国を陸海空で支援する態勢を整える」と説明した。
ロシアは現在、10万人規模の部隊と大砲、ミサイルをウクライナ国境付近に集めている。だが、ウクライナを侵攻する計画はないとしている。
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ロシアとNATO
ウクライナは旧ソヴィエト連邦の構成国。ロシアと欧州連合(EU)の国々と国境を接している。NATOには加盟していない。
ロシアは、ウクライナがNATOに加われば安全保障上の直接的な脅威になると主張。西側に対し、ウクライナが加盟しないことを約束するよう求めている。
NATOにはイギリスやアメリカの他、ロシアと国境を接する旧ソ連構成国など、計30カ国が加盟している。加盟国は、武力攻撃があった場合に相互に支援し合うことで合意している。
ロシアは先月、NATOに対し3つの要求を伝えた。ウクライナを加盟させないこと、東欧での軍事行動をやめること、ロシアと国境を接する国にミサイルを配備しないこと、だった。

英外務省は31日の議会で、ロシアの戦略および経済に関わる利益に対する制裁強化を発表するとみられている。
政府関係者はEU本部を訪れ、イギリスの増派の提案について詳細を詰める。
来月1日には、海軍トップのサー・トニー・ラダキン大将が最新情勢を内閣に説明する予定。
官邸によると、ジョンソン首相が週明け早々にも欧州大陸を訪れ、NATO加盟国の首脳らと会談することが検討されているという。










