ISがシリア刑務所を襲撃、戦闘で死者多数 投降も続出

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シリア北東部ハサカで20日、武装勢力イスラム国(IS)が刑務所を襲撃し、多数の収容者の解放を狙った。刑務所を管理する反体制派組織シリア民主軍(SDF)との間で戦闘となり、多数が死亡。IS戦闘員が続々と投降している。SDFは25日、新たに250人が投降したと発表した。
刑務所内にはまだ数十人が立てこもっているとみられる。刑務官や子ども数百人が、人質として捕らえられているとされる。
SDFの広報担当は25日午後、刑務所の完全奪還は徐々に進めると説明。「雇い兵の全滅より、囚人の解放と国民の保護を重視している」ためだとした。
20日に襲撃が発生して以降、ISと戦闘を続けていたSDFは、24日に刑務所に突入。IS戦闘員少なくとも300人が投降した。
死者160人以上か
イギリスに本部を置くシリア人権監視団によると、これまでの戦闘で、IS戦闘員とみられる114人やSDF兵士45人ら、計160人以上が死亡した。
同監視団のラミ・アブドル・ラフマン代表は、停戦に向けた協議が実施されていると、AFP通信に語った。その上で、「(収容者らの)交換がまとまらなければ、大虐殺が起こり、何百人も殺されるだろう」と警告を発した。
国連は、ハサカ市民最大4万5000人が自宅を出て避難したとしている。


ISが襲撃したグワラン刑務所には、SDFが拘束した男性や少年約4000人が収容されていた。SDFはクルド人主体の反体制派の軍事同盟で、アメリカから支援を受けており、シリア北部と東部の広い部分を支配している。
20日夜にISの襲撃が始まると、収容されていた数十人が脱走した。今回の襲撃は、ISが3年近く前に「カリフ制国家」を失って以降で、最も大々的な軍事行動となっている。
ISとSDFとの戦闘では、アメリカ主導の国際連合軍がSDF支援のための空爆を実施。武装車両も派遣した。
24日夜までに、SDFは刑務所を包囲。IS戦闘員と収容者ら数百人が人質を取って立てこもっていた北棟の奪還を狙った。
刑務所から助け求める音声
ISは最大700人の少年も人質にしたとみられている。少年らは、IS戦闘員の疑いがある人物の家族のための収容所から、年齢が大き過ぎるとして同刑務所に移送されてきた人たちで、最年少で12歳の少年もいた。
SDFは、ISが少年たちを「人間の盾」として使っていると非難。国連も、少年たちの安全と健康を深く懸念しているとした。
オーストラリア国籍の17歳の少年は、刑務所から音声メッセージを発信。空爆で頭部にけがを負ったとし、医療支援を訴えた。
「とても怖い。目の前でたくさんの人が死んでいる」、「出血があり、いつ死ぬかとおびえている。どうか助けてください」。










