イングランドとスコットランド、ワクチン接種済みの人は入国後検査不要に

画像提供, Getty Images
イギリス政府は24日、2月11日午前4時以降にイングランドやスコットランドに外国から入国する人は、新型コロナウイルスのワクチン接種を2回済ませている場合、到着から48時間以内のウイルス検査を受けなくても良いと発表した。
イギリス政府は、オミクロン変異株の蔓延(まんえん)を前に、ワクチンの追加接種を強力に推進したことが成果を出したとしている。旅行制限の緩和は、学校の学期中の中休みが始まる前の措置で、休みを利用して家族旅行に出かける人に便宜を図ったものと位置づけている。
2回のワクチン接種を終えていない旅行者にとっても、水際対策は緩和された。入国後の自主隔離は不要となるが、外国から出発する前の検査と、入国後2日目の検査は必要となる。
イングランドとスコットランドに入国する人はワクチン接種の有無を問わず、位置確認フォームを提出しなくてはならないが、これも入力を前より簡易にすると、グラント・シャップス運輸相は話している。
ウェールズと北アイルランドの自治政府がそれぞれ、同様に2月11日から渡航制限を緩和するかまだ不明だが、おそらくはイングランドやスコットランドと同じ措置をとるものとみられている。
イギリス政府によると、24日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者は8万8447人で、1月初めのピークの約20万人から大幅に減少している。陽性確認から28日以内に亡くなった人数は24日には56人で、今月半ばから横ばいが続いている。3回目の接種を受けた人は12歳以上の住民の64%以上。
学校の中休み前に
シャップス運輸相は下院で、2月からの渡航制限緩和によって、外国旅行をする家族は世帯ごとに約100ポンド(約1万5000円)を節約できるようになると述べた。さらに、業績悪化に苦しむ旅行業界にとっても朗報となると強調した。
「私たちの外国旅行の仕組みは自由化される。2022年には旅行制限やロックダウンや人の生活への制限が、しっかり過去のものになるようにする。これはその取り組みの一環だ」と運輸相は述べ、「2月11日午前4時から、学期の中休みに間に合うように、完全にワクチン接種を終えたと認定されてイギリスに入国する渡航者は、到着後の迅速検査を受けなくてもよくなる」と話した。
「つまり、もう何カ月も旅行者は出発前に検査し、到着後に検査し、自主隔離し、追加費用を払ってきたが、今後は接種済みの人がイギリスに旅行する際には、位置確認フォームを通じて状態を証明するだけで済むようになる」と運輸相は説明した。
シャップス氏はさらに、2月3日以降はイングランドの12~15歳が外国へ旅行する場合、国民保健サービス(NHS)のデジタルパスでワクチン接種証明を提示できるようになると話した。
スコットランド自治政府のマイケル・マセソン運輸相は、来月からの措置は旅行業界と航空業界にとって「きわめてありがたい」ものだとした上で、新しい変異株の出現があるなら直ちに察知できるよう、イギリス全土で「引き続き監視」を続ける必要があるとも述べた。
旅行業界は歓迎
コロナ禍で大打撃を受けている旅行・観光業界は、政府の決定を歓迎した。
ヴァージン・アトランティック航空は、「ワクチン接種済み旅客の検査をすべて不要にするのは、摩擦のない空の旅への最後の一歩で、旅行者が大切な人や仕事の同僚と再び会えるようになる」と述べ、「顧客の信頼が回復できるし、旅行業界にとって大事な予約集中時期に需要が後押しされる」と喜んだ。
イージージェット航空のヨハン・ランドグレンCEOは、「成績好調な夏を期待する」と述べ、「渡航制限を課してもイギリスでのオミクロン株の拡散を具体的に食い止めなかったことは明らかだ。そのため、今後新しい変異株が出ても、脊髄反射的に慌てて反応しないことが大事だ」と指摘した。
一方で、英実験検査業界団体(LTIO)は、規制緩和は時期尚早だと懸念を示した。トム・ワトソン会長は、「不要な規制の緩和は常に支持してきたが、この国が厳しいロックダウンを避けるには、新しい変異株を素早く見つけるため、旺盛な検査体制を維持するしかない」と、検査継続の必要性を強調した。
イギリスでは現在、新型コロナウイルスワクチンを2回(ヤンセン社製の場合は1回)受けている人と、18歳未満の人は、イギリスへ向けて出発する2日前の検査は不要となっている。しかし、5歳以上の全員(スコットランドの場合は11歳以上)が、到着から48時間以内に簡易迅速検査(LFT)か、PCR検査を受けなくてはならない。
迅速検査で陽性だった場合は、自主隔離をした上で、NHSのPCR検査で陽性かどうかを確認しなくてはならない。
政府は1月に入り、ワクチン接種済みの人はイングランドへ向けて出発前に、ウイルス検査をもはや受ける必要はないと条件を緩和していた。ただし、ワクチン接種を終えていない人は出発前検査1回と、入国後にPCR検査を2回受け、さらに入国後は10間自主隔離しなくてはならない。










