英首相官邸の飲み会、ジョンソン首相に与野党から批判殺到 辞任要求も

Boris Johnson

画像提供, PA Media

画像説明, ジョンソン首相は2020年5月の飲み会に参加していたのか明らかにしていない

イギリスで新型コロナウイルス対策のため厳しいロックダウンが実施されていた2020年5月に首相官邸の庭で「飲み会」が開催されていた問題で、ボリス・ジョンソン首相に対する批判が11日、与野党から噴出した。

この日の議会では、最大野党・労働党のアンジェラ・レイナー副党首をはじめとする野党議員が次々とジョンソン首相を批判。レイナー氏は、首相は追及から「逃げられても、隠れきることはできない」と強調した。

野党議員の中からは、首相がこの飲み会に参加していたことが明らかになれば辞任は免れないという声も出ている。

ジョンソン首相はこの日、議会に出席しなかった。飲み会に参加したのか、まだ明確にしていない。

12日には毎週水曜日に行われる首相質疑が予定されており、ジョンソン首相はこの場で激しい追及を受けるとみられている。

この首相質疑には、先週は新型ウイルス検査で陽性が判明し、欠席していた労働党のサー・キア・スターマー党首も参加する予定。

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問題の集まりが開かれたのは2020年5月20日。イギリスは当時、新型ウイルスの感染拡大を受けた1回目のロックダウンの最中で、他世帯の人とは屋外で1人としか会えない決まりだった。

しかしITVニュースは10日、この集まりへの招待メールを報道。ジョンソン首相の首席秘書官、マーティン・レノルズ氏の名前で送られたもので、100人以上が招待されていた

BBCが取材した目撃者によると、集まりには30人ほどが参加しており、ボリス・ジョンソン首相と婚約者のキャリーさん(現夫人)もいたという。

首相は参加していたかについて明言を避けている。

ジョンソン政権はすでに、パンデミック対策が敷かれていた2020年11月から12月にかけ、首相官邸を含む政府機関で複数のクリスマスパーティーが開かれていた問題の対応に追われている。

内閣は現在、レベルアップ・住宅・コミュニティー省のスー・グレイ第二事務次官に、一連の報告について調査を依頼している。

野党議員から批判殺到

11日の議会でジョンソン首相の代理として演説したマイケル・エリス閣外相は、グレイ第二事務次官の調査が「速やかに」行われることを期待していると述べた。

一方で、ロンドン警視庁がこの件の捜査に乗り出した場合には、調査が滞る可能性があると指摘。グレイ氏の調査結果が出るまでは、自分には「判断し、判決を言い渡す」権利はないと述べた。

これに対し労働党の議員らは、それぞれの選挙区でパンデミックの影響を受けた人々経験を話し、政府の偽善を糾弾した。

レイナー副党首は、ジョンソン首相が欠席したことに失望していると述べた上で、「欠席したこと自体が多くを物語っている」と批判。「国民はすでに結論を出している。首相は逃げ出せても、隠れきることはできない」と述べた。

自由民主党のサー・エド・デイヴィー党首はエリス氏に対し、「保守党議員が新型ウイルス関連法を無視したり破ったりしたと分かった時に、当然起こるべきと思っていることを、きちんとできるのか?」と問いただした。

スコットランド国民党(SNP)の議会代表を務めるイアン・ブラックフォード議員は保守党議員に対し、ジョンソン首相が「しかるべき行動をとって」辞任しない場合には、首相を罷免すべきだと訴えた。

スコットランド保守党のダグラス・ロス党首もBBCの取材に対し、ジョンソン首相は「法を破っていたなら」辞任すべきだと述べた。

「国民は多くの犠牲を払ってきたのに、今になってそれと同じ時期に、首相官邸のトップたちが庭で良い天気を楽しんで飲み会を開いていた可能性があると目の当たりにしている」

「私は『首相はそこにいたのか』という質問に答えられないが、首相は答えられるし、国民には答えを知る権利がある」

保守党からの支援も少なく

11日の議会では、ジョンソン首相の擁護に回る保守党議員は少なかった。そのうちの1人のスザンヌ・ウェブ議員は、「パンデミックから回復している今(中略)議会はどうやってこの国を回復させ、より良いものにするかを議論すべきだと思う」と述べた。

一方、ナイジェル・ミルズ議員はBBCに対し、「家の外ではたった1人にしか会えないという最悪のロックダウンの最中に、そのルールを作った人たちがパーティーを開いていたというのは受け入れられないし、擁護できない」と語った。

「もしジョンソン首相が、パーティーだと分かってそこに参加していたのなら、その点において言い逃れはできないだろう」

閣僚経験者のジョニー・マーサー議員はツイッターで、「これは屈辱的な出来事で、『少なくとも模範になろうと努力していた』大半の保守党議員の在り方を反映していない」と述べた。

BBCが取材した閣僚経験者からは、「ジョンソン氏はどんなことでも、うそで切り抜けようとしている」、「ジョンソン氏はもう終わりだ」といった意見も聞かれた。