ジョコヴィッチ選手の入国認める 豪裁判所

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男子テニスの世界ランキング1位、ノヴァク・ジョコヴィッチ選手(34)が新型コロナウイルスのワクチンをめぐりオーストラリアへの入国を拒否された問題で、豪メルボルンの裁判所は10日、ジョコヴィッチ選手の訴えを認め、政府による入国拒否の決定を取り消す判断を示した。
セルビア出身のジョコヴィッチ選手は17日に開幕する全豪オープン出場のため5日深夜にメルボルンの空港に到着した。豪政府は、同選手がワクチン接種も正当な接種免除の理由も提示しなかったとして、選手を拘束し、入国を拒否した。
これを不服とした選手の訴えについて審理した結果、メルボルン連邦巡回家庭裁判所のアンソニー・ケリー判事は選手をただちに釈放するよう命令した。
ただし、アレックス・ホーク移民担当相は今後、別の理由で選手の入国ビザを取り消す可能性がある。このため、ジョコヴィッチ選手が全豪オープンに出場できるかは、不透明なままだ。
隔離施設として使われているメルボルン市内のホテルに一時拘束されていたジョコヴィッチ選手は、裁判の最中、同市内の弁護士事務所で待機していたという。

「全員に同じルール」
この日の審理で政府側の代理人は、入国ビザ取り消しの通知に対応するための十分な時間を、ジョコヴィッチ選手に与えなかったことを認めた。
国境警備隊は当初、6日午前8時半までにビザ取り消しについて選手に事情説明の機会を与えるとしていたが、実際には午前7時40分に入国拒否の最終決定を下した。
ケリー裁判官はこれについて、ビザ取り消しに反論する機会を、国境警備隊がもっと十分に与えるべきだったと指摘。「全員に同じルールが適用される。本件ではそのルールが守られなかった」と述べた。
ジョコヴィッチ選手の代理人、ニック・ウッド弁護士は、入国者全員にワクチン接種を求めるオーストラリアの決まりから自分は免除されるという認識のもと、選手は入国しようとしたのだと主張。
昨年12月半ばに新型コロナウイルスに感染し、かつ必要な医学的証拠をすべて提出したことから、2つの医療審査委員会から免除適用を認められたと、弁護士は説明した。
「(ジョコヴィッチ選手は)できることはすべてやった。オーストラリア・テニス協会の要求にはすべて従った」と、ウッド弁護士は述べた。
ケリー判事もこれに同意した様子で、政府側の弁護団に対して、「選手はほかに何ができたというのか」と問いただした。
ジョコヴィッチ選手の弁護団はさらに、メルボルン到着後に国境警備隊から選手が受けた扱いは「きわめて不当」だったと主張した。
5日深夜に到着し、入国を拒否された選手は、朝まで待ってスタッフからの連絡を受けてから、出国するかどうか決めたいと入管当局に伝え、当局はこれに同意した。
いったん就寝した選手は翌朝の午前6時に国境警備隊に起こされ、「今すぐ決めた方が自分のため」だと圧力をかけられたと、弁護団は主張した。
政府代理人のクリストファー・トラン弁護士は、最近になって新型コロナウイルスに感染していたとしても、入国時のワクチン接種義務から免除されないと主張。入国拒否の決定は不公平でも不合理でもないと述べていた。
ジョコヴィッチ選手は自分のワクチン接種の有無について公言していないものの、入管当局との面接記録では、自分がワクチンを受けていないと認めている。
このやりとりで選手は、2020年6月と2021年12月16日に計2回、新型コロナウイルス陽性と検査で確認されたと話している。選手はPCR検査結果の写しを提出。そのうちの1通は2021年12月16日に発行されたものだった。この翌日に選手は、公開イベントに出席し、マスクをつけていない状態で撮影されている。









