豪当局、テニスのジョコヴィッチ選手の入国認めず 接種免除申請の不備でビザ取り消し

画像提供, EPA
オーストラリア当局は6日、テニスの全豪オープンに出場するためメルボルンに到着した男子世界ランキング1位のノヴァク・ジョコヴィッチ選手(34)のビザ(査証)を取り消した。
ジョコヴィッチ選手がメルボルンに到着して間もなく、オーストラリア当局は医学的理由で新型コロナウイルスワクチン未接種であることを認めるビザをジョコヴィッチ氏が申請していないことに気が付いた。同氏はこれまで自身の接種状況について語ったことはないが、昨年には「ワクチン接種に反対」だと発言していた。
ジョコヴィッチ氏はメルボルンの空港で数時間待機させられた。その後、国境警備隊は入国規定を満たしていないとして同氏を国外退去すると発表した。
報道によるとジョコヴィッチ氏は、政府が移民の拘束施設や新型ウイルスの隔離施設として使っているホテルで、出発便を待っているとされる。オーストラリアに再入国して大会に出場するため、法的に異議を申し立てるか、新たなビザを申請する可能性もあるという。
全豪オープンに出場予定のジョコヴィッチ氏は前日に、オーストラリア入国の際に義務付けられている新型ウイルスワクチン接種の免除を認められたばかりだった。
オーストラリアのスコット・モリソン首相は、誰もルールを超越できないと述べた。報道によると、ジョコヴィッチ氏の弁護士はこの決定に対し異議を申し立てたというが、弁護士が決定を覆そうとする間ジョコヴィッチ氏がオーストラリアにとどまるかどうかは不明。
オーストラリアの主張
オーストラリア国境警備隊は声明で、ジョコヴィッチ氏は「オーストラリアへの入国要件を満たす適切な証拠を提出できず、その後ビザが取り消された」と説明した。
「入国時に有効なビザを所持していない、あるいはビザを取り消された外国人は拘束され、オーストラリアから退去することになる」
同国のグレッグ・ハント保健相はチャンネル7の番組「サンライズ」に対し、「オーストラリア人は、これまで大変な思いをしてきた。多くの異なる州や準州で暮らすオーストラリア人は接種記録を提示しなければならない。(中略)この国に入国する全ての人に対し、全く同じ要件を課すのは不合理なことではない」と述べた。
モリソン首相は、「ルールはルールだ。特に国境管理に関しては。誰もこうしたルールを超越できない」とツイートした。
2020年初頭に新型ウイルスが拡大したことを受け、オーストラリアは世界で最も厳格な制限措置を敷いていた。しかし現在は、1日当たり数万人もの新規感染者が確認されている。16歳以上の90%超は接種を完了しているものの、現在の措置に基づき、一部の人は居住する州内での、あるいは国外への旅行ができずにいる。
多くの国民からは、豪政府は富裕層や有名人に好き勝手をさせる一方で、一般市民は病気になっていたり、死にそうな状態になっている大切な人から引き離されたりしたままだとの非難の声があがっている。
セルビアでの反応
ジョコヴィッチ氏の処遇をめぐっては、同氏の母国セルビアで怒りの声が出ている。同氏の父親スルジャン・ジョコヴィッチ氏は、息子は警察が警備する一室に入れられたと語った。
父親は「これはノヴァクのためだけでなく、全世界のための闘いだ」と、メディアを通じて声明を発表した。
セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は、同国のスターが「嫌がらせ」の被害者になっているとし、「セルビア全体が」彼をサポートしていると述べた。
全豪オープンは1月17日にメルボルンで開幕する。ジョコヴィッチ氏は過去に同大会で9度優勝している。





