オミクロン株、英イングランドで市中感染 保健相が認める

A woman wears a facemask as she walks in London

画像提供, Getty Images

イギリスのサジド・ジャヴィド保健相は6日、イングランドで新型コロナウイルスのオミクロン株の市中感染が起きていると認めた。

議会下院でジャヴィド保健相は、オミクロン株は「イギリスでも世界中でも」広がっており、「外国旅行と関係のない」新規感染者がいると説明した。

イギリスではこの日までに336人のオミクロン株感染者が確認されている。5日発表の90人から大きく増えた。

この変異株をめぐっては、既存のワクチンの有効性を懸念する声が出ている。

どの変異株かを問わず、6日に発表された1日の感染者数は5万1459人、陽性判明から28日以内の死者は41人だった。

<関連記事>

イギリスのオミクロン株感染者の内訳は、イングランドが261人、スコットランドが71人、ウェールズが4人。北アイルランドではまだ報告されていない。

スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は、複数の感染症例がグラスゴーで開かれたコンサートと関連しており、その後に市中感染が始まったと説明した。

保健当局も先週の時点で、イギリス国内で「少数の」市中感染の兆候があると述べていた。

ブースター接種も拡大・加速へ

ジャヴィド保健相は、自分の知る限りではこの中に入院患者はいないと述べた。

また、オミクロン株によってイギリスが「パンデミックから回復する道」から外れてしまうかどうかについて、そのようなことにはならないという保証はできないと述べた。

さらに、オミクロン株の場合、自分が感染してから他人に感染させるようになるまでの期間が、従来より短い可能性があると話した。

その上で、イギリス政府はオミクロン株が重症化を招くのか、既存のワクチンがどう効くのかなどについて、全容をまだ把握していないと述べた。

オミクロン株の発見以降、政府は再び公共交通機関や店舗でのマスク着用を要請。ワクチンのブースター(追加)接種の拡大も検討している。

ジャヴィド保健相は「ウイルスが適応した時は、我々も適応しなければならない」として、ブースター接種に向け、医療従事者1万人を再雇用したことを明らかにした。

また、ブースター接種の支援にイングランドで350人、スコットランドで100人超のイギリス兵を投入するとしている。

ジャヴィド氏によると、英健康安全庁(UKHSA)は現在1日約50万件の検査を実施しており、検査能力は拡大しつつある。

最大野党・労働党のウェス・ストリーティング影の保健相は政府に対し、今後、国外で新しい変異株が発生した場合に備え、厳しい国境管理や検査、濃厚接触者の追跡などを含む「標準対応」を作るべきだと訴えた。

Covid cases chart
画像説明, イギリスの1日当たりの新型コロナウイルス感染件数。線グラフは7日間平均

イギリスはオミクロン株の確認を受けて、南アフリカやナイジェリアなど11カ国を、入国から10日間ホテル隔離しなくてはならない「レッドリスト」対象国に指定している。週末には、イングランドで確認された感染者の大半が南アフリカとナイジェリアへの渡航と関連していると発表した。

7日午前4時(日本時間同日午後1時)からは、(アイルランドを除く)外国からイギリスに入国する12歳以上の人は全員、イギリスへ向けて出発する前の48時間以内に、PCR検査か迅速抗原検査を受ける必要がある。また、入国後2日以内のPCR検査で陰性が確認されるまでは自主隔離が必要となる。

また、オミクロン株感染者と接触した疑いのある人については、ワクチン接種の有無にかかわらず、10日間の自主隔離を義務付ける。

英イーストアングリア大学のポール・ハンター教授(公衆衛生)は、各地で現在主流のデルタ株よりもオミクロン株の方が感染拡大が速い可能性があるとして、数週間のうちにオミクロン株が主流株として入れ替わるだろうと警告している。