著名選手らも調査要求、中国側は「関知せず」 中国テニス選手の性被害告発

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中国のテニス選手、彭帥さん(35)が前副首相から性的暴行を受けたと告発した問題で、セリーナ・ウィリアムズさんらテニス界のトップ選手らが次々と声を上げている。そうしたなか、中国政府側は18日、状況を関知していないとした。
中国スポーツ界の大スターの彭さんは、今月2日にソーシャルメディアの微博(ウェイボー)で、張高麗前副首相(75)から性的関係を「強要された」と訴えて以来、消息不明となっている。
国営メディアは17日、彭さんが書いたとされる電子メールについて報じた。自宅で休養しており、告発は虚偽だったとする内容だった。
しかし、女子テニス協会(WTA)のスティーヴ・サイモン最高経営責任者(CEO)は、本物か疑わしいとしている。
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中国外務省の趙立堅報道官は18日、記者から彭さんの問題について質問されると、「関連の状況を承知していない」と述べた。
彭さんは女子ダブルスの元世界ランキング1位。グランドスラム(4大大会)のダブルスで2回優勝している(2013年ウィンブルドン、2014年全仏。ペアの相手はともに台湾の謝淑薇)。
シングルスでも2011年、ランキングを最高14位まで上げた。2014年の全米オープンでは準決勝まで勝ち進んだ。2020年3月以降はWTAツアーの試合に出場していない。
彭さんは告発の際、証拠を示すことはできないと認めていた。中国で有力政治指導者に対し、このような訴えがなされたのは初めて。中国の#MeToo運動としては、最も注目を集める事案となっている。
告発された張さんは、訴えに反応していない。張さんは2013~2018年に副首相を務め、習近平国家主席に近かった。
ウィリアムズ選手や大坂選手も言及
彭さんの安全をめぐっては、有名選手らが次々と声を上げている。
18日には、4大大会(グランドスラム)シングルスで23回優勝しているセリーナ・ウィリアムズ選手(アメリカ)も発言。「彼女が安全で、早急に見つかることを願っている」とツイッターに投稿した。その際、「#whereispengshuai(彭帥はどこに)」というハッシュタグを使った。
「ニュースを聞いて驚き、衝撃を受けている」
「この件は調査が必要であり、私たちは黙っていてはいけない」
「この非常に難しい時期に、彼女とその家族に愛を伝えたい」
大坂なおみ選手はツイッターで、「彭帥とその家族が安全で大丈夫だと願っている。現状にショックを受けており、愛情を送る」などと投稿した。
これまでも社会的問題について発言してきた大坂選手は、「検閲は決してOKではない」と付け加えた。
男子世界ランキング1位のノヴァク・ジョコヴィッチ選手(セルビア)は、この問題について最初に発言した大物選手の1人だ。
ジョコヴィッチ選手は今週、彭さんの問題について質問されると、衝撃を受けたとし、彼女の無事を願っていると述べた。
ニコラ・マウ選手(フランス)は「私たちみんなが心配している」と述べた。
サッカー界からも
ツイッターでは、テニス界以外の有名スポーツ関係者や、俳優、政治家らからも声が上がっている。その多くは、「#WhereIsPengShuai」のハッシュタグと、彭さんの写真を使ってツイートしている。
サッカーの元スペイン代表でバルセロナ所属のジェラール・ピケ選手も18日、そうした1人となった。
WTAも同様のツイートをしている。
人権団体アムネスティ・インターナショナルは、彭さんが書いたとされるメールを「そのまま受け止めてはならない」と警告。中国国営メディアが「声明と呼ぶもの」は、これまでの経緯から、信頼性に欠けるとした。
中国は来年2月に北京で冬季オリンピックを開催する。そうした状況を受け、国際オリンピック委員会(IOC)はコメントを求めらた。
IOCは、「これまでの経験から、こうした性質の問題において答えを見つけるには、静かな外交が最善だ」とした。








