【COP26】 米中が異例の共同宣言 気候変動対策で協力強化

U.S. climate envoy John Kerry speaks during a joint China and US statement on a declaration enhancing climate action, at the COP26 climate conference in Glasgow

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画像説明, アメリカのジョン・ケリー気候変動問題担当特使は、「協力こそが(気候変動対策を実現する)唯一の方法」だと述べた

アメリカと中国は10日、英グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、両国が今後10年間の気候変動対策での協力を強化することを盛り込んだ共同宣言を発表した。米中がこうした共同声明を出すのは異例。

米中は共同宣言で、気候変動への国際的な取り組みを決めた2015年の「パリ協定」で設定した、気温上昇を摂氏1.5度に抑えるという目標を達成するため、両国が「共に取り組むという確固たるコミットメントを思い起こす」としている。

両国は目標達成にむけて残る「大きな隔たり」を埋めるため、取り組みの強化が必要だとした。

中国の気候変動特使、解振華氏は記者団に対し、気候変動に関して「中国と米国の間には、相違点よりも合意点の方が多い」と述べた。

解氏に続いて、アメリカのジョン・ケリー気候変動問題担当特使も、米中の「相違点は尽きないが、気候変動においては、協力こそがこの取り組みを達成する唯一の方法」だと述べた。

「今は一歩一歩が重要だ。長い道のりが我々を待ち受けている」

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米中は地球温暖化の原因となっているメタン(CH4)排出量の削減やクリーンエネルギーへの移行、脱炭素など様々な問題への取り組みで合意した。

ただ、中国は2日にCOP26で100以上の国と地域が合意したメタン排出削減目標への参加を拒否している。この目標は2030年までにメタンの排出量を2020年と比べて30%削減するというもの。中国は代わりに、メタン問題に対処するための「国家計画」を策定すると約束した。

科学者は、世界の気温上昇を工業発達以前と比べて1.5度以内に抑えることで、人類が気候変動による最悪の影響を回避することにつながるとしている。

2015年のパリ協定では、温室効果ガス排出量を大幅に削減し、気温上昇を1.5度から2度以内に抑えることで各国は合意した。

China's chief climate negotiator Xie Zhenhua

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画像説明, 中国の解振華気候変動特使は、中国とアメリカは30回以上もバーチャルで協議したと述べた

米中共同宣言への反応

環境保護団体「グリーンピース・インターナショナル」のジェニファー・モーガン事務局長は、中国とアメリカの共同宣言を歓迎しつつ、両国は気候変動問題における目標達成に向けてより大きなコミットメントを示す必要があると警告した。

「結局のところ米中の声明は、気温上昇を1.5度に抑えるという目標における各国のギャップが解消されるまで、より大きな野心と共に毎年交渉の席に戻るよう各国に求める、気候変動の影響を受けやすい国々の呼びかけには及ばない」

欧州連合(EU)の気候政策責任者フランス・ティメルマンス氏は、中国と米国が共に取り組んでいることは「非常に心強い」と述べた。そして、「アメリカと中国が、この問題(気候変動)がほかの問題を超越していると認識していることを示している。これは間違いなく、このCOP26の場にいる我々が合意に至るうえで助けになる」と付け加えた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、今回の発表は「正しい方向へ進む重要な一歩」だとした。

COP26は2015年にフランス・パリで開催された画期的な会議以降で最大規模の気候変動会議。約200カ国が、地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出量を2030年までに削減するための計画を求められている。

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画像説明, 二酸化炭素の排出量が多い国。上から中国、アメリカ、EU(イギリス含む)、インド、ロシア。2019年のデータで、単位はメガトン(100万トン) 出典:EC、Emissions Database for Global Atmospheric Research
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ジョー・バイデン米大統領は2日、COP26に対面参加しなかった中国とロシアの各首脳を批判した。

「中国は世界的なリーダーとしての存在感を世界で示そうとしている。それは分かる。なのにここに欠席するとは、どういうことか」とバイデン氏は言い、中国の習近平国家主席の欠席は「大間違いだ」と述べた。

中国は世界最大のCO2排出国。習主席は9月、CO2排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにCO2排出量と除去量を差し引きゼロにするカーボンニュートラル(ネットゼロ)を目指すと表明した。一方のアメリカは、2050年までのネットゼロ実現を目指している。