【COP26】 オバマ氏「怒り持ち続けて」 気候変動に取り組む若者に呼びかけ

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バラク・オバマ元米大統領は8日、英スコットランド・グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で演説し、「怒りを持ち続けて」気候変動と闘うよう若者に呼びかけた。
オバマ元米大統領は、変化をもたらすために政治的圧力をかけるよう若者に求めた。ただ、その過程では妥協を受け入れる必要があると警告した。
また、世界は将来的な気候変動の大惨事を回避するのに「必要な段階に全く到達できていない」と述べた。
気候変動に懐疑的なドナルド・トランプ前米大統領については、「気候科学に対する激しい敵意」をもっていると批判。一方で、アメリカは再び世界をリードする準備ができているとした。
オバマ氏はCOP26に対面参加しなかった中国とロシアの各首脳をとがめた。
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オバマ氏が壇上に立つと熱烈な拍手が送られ、演説の最後にはスタンディングオベーションが起こった。しかし、活動家からは反発があった。
オバマ氏は大統領時代の2015年に締結されたパリ協定での誓約を達成できていない国々を非難した。
しかし活動家たちは、先進国が年間1000億ドルの気候変動対策資金を途上国に提供するという重要な約束などをオバマ政権が破ったと指摘した。
ウガンダ出身の気候正義活動家ヴァネッサ・ナカテさんは、「バラク・オバマ氏へ。私が13歳の時、あなたは1000億ドルの気候変動対策資金の提供を約束した。アメリカはその約束を破り、アフリカの人々の命を奪うことになった。地球上で最も豊かな国が、命を救うための基金に十分に貢献していない。あなたはCOP26の若者に会うことを望んでいるが、私たちはあなたが行動を取ることを望んでいる」とツイートした。

オバマ氏は今回、自分がスコットランドのどこを訪れているのか理解できていなかったのか、「エメラルド諸島」にいると発言した。アイルランドのことを指す「エメラルドの島」と混同したとみられる。また、イングランドの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの言葉を引用する場面もあった。
オバマ氏は、気候変動の影響を軽減するためには、大変で厄介な作業がまだまだ残されていると認めつつ、パリ協定締結からの6年間でいくつかの有望な進展があったと述べた。
「政治を無視することはできない」
オバマ氏の演説の大半は若い活動家に向けたもので、若者が「いら立ちを感じるのは当然だ」と述べた。
そのうえで、「政治を無視することはできない」とし、抗議行動やハッシュタグで気候変動問題への関心を高める一方で、ある程度政治に参加すべきだとした。
また、自分の娘たちの買い物の仕方を例に挙げて、持続可能性に取り組む企業を支援し、そうでない企業はボイコットするよう若者に呼びかけた。
この日、オバマ氏が掲げたキャッチフレーズは「怒りを持ち続けろ」というものだった。
「そこで活動する全ての若者に伝えたい。怒りを持ち続けてほしい。いら立ちを感じたままでいてほしい」
「ただ、その怒りの矛先を変えよう。そのフラストレーションを生かそう。より強く、強く、もっともっと進み続けてほしい。それがこの挑戦には必要なので。短距離走ではなくマラソンに備えてほしい」
オバマ氏は、スウェーデンの環境保護活動家グレタ・トゥーンベリさんのような「国境を越えて運動を展開している」活動家の献身に敬意を表明。若者に対し、少なくとも選挙に行き、気候変動に立ち向かう政治家に投票するよう求めた。
「自分の人生がかかっていると思って投票してほしい。実際、人生がかかっているので」
「激しい敵意」
アメリカは政治的に分断し、トランプ政権下の4年間には世界的な気候変動への取り組みから離れていたが、いまは再び軌道に乗って変化に取り組んでいると、オバマ氏は主張した。
また、共和党員が気候変動対策を「傍観」して進行を妨げ、「4年間にわたり気候科学に激しい敵意を示して」気候変動問題を党派対立問題に変えたと非難。気候変動を真剣に受け止める共和党員は、「今となってはまれな存在」だと述べた。共和党からは今回初めて、代表団が国連の気候変動サミットに参加している。
オバマ氏は新型コロナウイルスのパンデミックやアメリカの国家主義の台頭、トランプ政権の協力不足が、気候危機に影響を与える国際関係の断絶につながったと非難した。
中国とロシアは「切迫感に欠けている」
COP26には120人以上の首脳が出席したが、パンデミックが始まって以降、海外への渡航を避けてきたロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席はリモートでの参加を選んだ。
オバマ氏は「世界最大の(温室効果ガス)排出国のうちの2つ」である中国とロシアの首脳が対面参加しなかったことに「特に落胆している」とし、両首脳に「危険なほど切迫感に欠けている」ことが示されたと指摘した。
オバマ氏は、気候変動との闘いは大変で厄介なもので、「すべての勝利は不完全なもの」になると聴衆に語り、演説を締めくくった。
「人類はこれまでにも困難なことを成し遂げてきた」
「私たちは困難なことを再び成し遂げられると、私は信じている」










