【COP26】 貧困国の気候対策支援、イギリスが440億円超の拠出を約束

画像提供, Getty Images
英スコットランド・グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は7日、2週目に入った。イギリスは、貧困国が気候変動による影響に対処できるよう、2億9000万ポンド(約440億円)を拠出すると約束した。
英政府は、拠出金の大部分は、アジア・太平洋地域の国が気候変動対策の計画・投資を行い、自然保護を向上させ、低炭素開発を促進するために使われると説明した。
イギリスの外務・英連邦・開発省(FCDO)は、この2億9000万ポンドは「新たな資金」だとしている。英政府は先月、少なくとも2024~25年までは、対外援助を国民所得の0.5%に削減することを継続すると発表していた。
COP26では、世界の気温上昇を産業革命以前に比べ摂氏1.5度以下に抑えるには、どうすべきかが主な焦点となっている。
8日には、特に貧しい国のために、地球温暖化による影響をどのように緩和するかが議論される。
<関連記事>
発展途上国は、自分たちはすでに苦しい状況にある中、気候変動による影響を最も深刻に受けることになると訴えている。そして、排出量の削減と気候変動への適応を支援し、2050年よりもっと早期に炭素排出量を差し引きゼロにする「ネットゼロ」目標を達成するため、年間1000億ドル(約11兆円)の財政援助を求めている。
先進国は2009年コペンハーゲン会議で、2020年までに年間1000億ドルの気候変動対策資金を途上国に提供することで合意したが、この目標は達成されていない。現在は2023年までの実現を目指しており、途上国は「非常に残念」だとしている。
英政府のアン=マリー・トレヴェリアン国際貿易相は、気候変動によってさらに大勢が貧困に追い込まれるのを防ぐため、世界は「今すぐ行動しなくてはならない」と述べた。
歴史的に、気候変動の原因となる世界の温室効果ガス排出量の内、発展途上国が排出源となっている割合はごくわずかだ。一方で、世界人口の1%にあたる富裕層の排出量は、最貧層50%の合計排出量の2倍以上となっている。
拠出金の使途は
英政府は気候変動の影響に対処するため、2億9000万ポンドの新たな資金を以下のように分配すると発表した。
- 2億7400万ポンド(約420億円):アジア・太平洋地域の国が気候変動対策の計画・投資を行い、自然保護を向上させ、低炭素開発を確実に行うための支援
- 1500万ポンド(約22億9000万円):開発途上国が最も必要としている部分に対処するための支援
- 100万ポンド(約1億5000万円):気候関連災害への対応を含む、より迅速で効果的な国際的人道活動への支援
補償金
気候変動によってすでに発生している被害について、豊かな国が弱い立場の国に補償金を支払うべきかどうかという問題もある。
富裕国はこれまで、自国の炭素排出による影響に対して、法的責任を認めてこなかった。その代償が何兆ドルにも及ぶ恐れがあるからだ。
気候変動によって経済的ダメージを受けた国への補償基金への寄付を約束しているのは、今のところ英スコットランド自治政府のみ。
スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン第一首相は先週、損失・損害補償基金への最初の寄付として100万ポンド(約1億5000万円)を支払うと約束した。
この判断について、気候変動問題の第一人者は7日、気候変動対策における大いなる突破口になると歓迎した。
バングラデシュの国際気候変動・開発センターのサリームル・ハク所長は、先進国が地球温暖化の原因となっていることを暗に認めた初めてのケースだとし、これが最後ではないだろうと述べた。
慈善団体「クリスチャン・エイド」は、現在の気候変動政策では、世界の最貧国の一部が今世紀末までに平均64%の経済的打撃を受ける恐れがあると指摘した。
ケニアの気候・エネルギー・シンクタンク「パワー・シフト・アフリカ」のモハメド・アドウ氏は、「経済的大惨事の規模」が「完全に不当なもの」になっていると述べた。
「豊かな国が、この不当行為に対処するための損失・損害基金を設立しようとする動きを一貫して阻止してきた。これは恥ずべきことだ」
COP26の最初の1週間では、世界100カ国超の首脳が2030年までに森林破壊を終わらせると約束し、地球温暖化の原因となっているメタン(CH4)の排出量を2030年までに2020年比で30%削減することで合意するなど、様々な誓約がなされた。
専門家や気候変動活動家らはこうした取り組みを歓迎する一方で、それを実現する必要があると主張している。
COP26のアロク・シャーマ議長は、すべての国がこれらを「実行し、責任を負わなければならない」と述べた。
8日には、バラク・オバマ元米大統領らもCOP26に出席する。オバマ氏はパリ協定の発効後5年間の進捗状況について演説する。気候変動問題に取り組む世界中の若いリーダーシップについて強調するとともに、各国政府や民間セクター、慈善団体、そして市民社会のさらなる行動を促すとみられる。

COP26の重要ポイント
- 気候変動は地球が直面する最重要課題のひとつ:地球の温度がこれ以上大幅に上昇しないようにするには、各国政府は今まで以上に大胆にCO2などの温室効果ガスの排出を減らすと約束する必要がある
- 大国の約束に注目:アメリカや中国など、世界でも特に大量の温室効果ガスを排出する各国が、何を約束するかが重要。同時に、環境破壊による被害が特に大きい発展途上国に、どのような支援が約束されるかにも注目が必要
- 私たち全員の暮らしが変わるかもしれない:英グラスゴーで開かれているこの会議の結果、私たちの仕事、家の暖房や冷房の仕方、何を食べて、どのように移動するかなど、生活の様々な側面が変化するかもしれない











