クリーンエネルギーへの移行は「石油による資金が必要」 シェルCEO

画像提供, Getty Images
石油大手シェルのトップがBBCの番組に出演し、2050年までに企業としてネットゼロに移行すると宣言した。ただ、その費用を賄うため、石油やガス関連のビジネスによる収入が必要になると説明した。
ベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は番組で、シェルの石油・ガス関連ビジネスと、再生可能エネルギー関連の投資部門は不可分だと主張。分社化すべきだとする「物言う株主」の米投資会社サード・ポイントの要求をはねつけた。
ファン・ブールデン氏は、より環境負荷が少ないエネルギーに移行するには、石油とガスを利用して資金を得る必要があると述べた。
「現時点では(必要な現金は、時代に合わなくなった)レガシービジネスから来ている」
<関連記事>
ファン・ブールデン氏は、オランダ・ロッテルダムに近いペルニスにある欧州最大級の石油精製所から出演した。同氏はこの施設を今後10年かけて、バイオ燃料と水素を作るものに変える予定だ。
「そうしたことは(ペルニスにあるような)施設と現金があって初めて可能になる」
「水素プラントを、北海に作る風力発電所からの10億ドルで建てなければならないとしても、資金を出すのは水素ビジネスではない。石油やガス関連ビジネスだ」
新たな油田
石油とガスは、単なるレガシービジネスになってはいない。シェルは、1億7000万バレルを産出するとみている北海のキャンボなど、新たな油田を開発したい考えだ。
ファン・ブールデン氏は、これをどう正当化するのか。
同氏はキャンボ油田について、究極的には政府が決めることだとしている。ただ、イギリス国内の需要を満たすのに、国内の資源を使わず他国からの輸入に頼るのは不合理だと話す。
「私たちの独自資源で石油とガスの需要を満たすのではなく、たぶん余計に炭素を排出するが、よそから輸入しよう――とはならないだろう」
「それはイギリスの収支にとっても、世界の炭素排出にとっても、助けにはならないのではないか」
目標達成への疑念
シェルの現在の炭素排出量は、同社製品の利用者によるものも含めると、ロシアの排出量と同規模だ。
同社は来年、石油とガス向けの開発費用として、再生可能エネルギーに費やす額の4倍を予定している。これが原因で、シェルについて、自社の目標もオランダの裁判所から命じられた目標も実現できないのではないかとの見方が出ている。オランダの裁判所は同社に対し、2030年までに炭素排出の総量を半減させ、2050年までにゼロにするよう義務付けている。シェルはこの判決に対し、上訴を予定している。

画像提供, Getty Images
コンサルタント会社Climate Insightsのシュウ・リンさんは、シェルの支出計画を分析。その結果、同社はガス関連ビジネスを拡大し、2030年までより多くの炭素ガスを排出するだろうと予測している。
「シェルは2030年までは排出量を増やし、2050年になってもまだ相当な量を排出しているだろう」
ファン・ブールデン氏は、そうした予測は推論だと反論。2016年以降、シェルは事業に絡んだ炭素強度を17%カットしたとし、目標に向けて予定通りに進んでいるとした。











