ポーランド、ベラルーシ国境で移民流入を阻止 双方が非難の応酬

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ポーランド当局は8日、隣国ベラルーシから流入しようとする移民を阻止したと発表した。しかし、さらに大勢がポーランドへ向かっていると警告している。
ソーシャルメディアに投稿された動画によると、有刺鉄線の張られた国境の柵に数百人が押し寄せ、中には柵を越えてポーランドに入ろうとする人たちもいた。
ポーランド警察は緊急会議を開き、1万2000人の警官を派遣した。また、ベラルーシが移民を国境付近に追いやって「敵対行為」を働いていると非難した。
ポーランドとリトアニア、ラトヴィアではここ数カ月、ベラルーシから違法に入国しようとする移民が増えている。その大半は中東やアジアから逃れてきた人たちだという。
欧州連合(EU)は、ベラルーシの権威主義的なアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が、制裁の報復として移民を押し出していると非難している。

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一方のポーランドも、移民や難民を国境で押しとどめていると批判を受けている。ポーランド当局は、国境に有刺鉄線の柵を建設し、国境へ到達した人々を食い止めている。
同国の国境管理局は、9日朝からベラルーシ国境にあるクズニカ検問所を閉鎖すると発表した。
国境付近にいる移民らの生活状況は極めて厳しい状態に達しており、気温が零下に達する冬を前に、その安全性にも懸念が生まれている。
ポーランドから追い出され、ベラルーシからも帰還を拒否されている中、移民らは極寒のポーランドの森の中で立ち往生している。すでに低体温症で亡くなっている人もいるという。

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イラク出身のバルワ・ヌスレディン・アフメドさんは、妻と3人の子どもと共にこの国境に到達した。10月にベラルーシの首都ミンスクにやってきたという。
BBCのポール・アダムズ外交担当編集委員の取材に対してアフメドさんは、国境にたどり着いた人々は、食べるものも飲むものもなく苦しんでいると語った。
また、8日に人々が検問所に押し寄せたのはソーシャルメディアを通じて移民たちが計画した行動だったが、ベラルーシの後押しがあったものだったと述べた。
「(ルカシェンコ大統領に)利用されていると知っていたが、私たちには未来がない」
ソーシャルメディアに投稿された動画では、女性や子供を含む大勢がベラルーシ側からポーランドの国境へと歩いていく様子が映されている。
また、迷彩服に身を包んだ戦闘員が、移民に付き添っているのが分かる。

ソーシャルメディアにはこのほか、有刺鉄線の柵を越えようとした移民が、国境警備隊に阻止されている様子を映した動画も投稿された。

ポーランドの外務副大臣は、ベラルーシがこの移民の動きを指揮しようとしていたと非難。「大規模な越境が行われようとしている」と警告した。
治安部隊のパヴェル・ソロク長官は、夜通し「数百人もの移民による国境侵犯が続くだろう」との見方を示した。
「人命を危険にさらしている」
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ベラルーシが「人命を危険にさらしている」として、追加制裁を行うよう加盟国に呼び掛けた。
アメリカもルカシェンコ大統領に対し、移民が不法にベラルーシ国境から欧州へ流入するのを「計画・強制するのをただちに止める」よう訴えた。
ベラルーシの国境警備隊は先に、2000人の「難民」がポーランド国境の柵に集まっていると国営メディアに発表。難民らは「EUでの保護を求めている」と説明した。
その上で、ポーランドは「保護を求めている人たち」を「不当な手段で」追い払っていると非難した。

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北大西洋条約機構(NATO)は8日、ポーランド国境での「急速な状況変化」に懸念を表明。「地域の安全保持」のための準備をしていると述べた。
一方でリトアニアも、ベラルーシが移民を追いやってくる可能性に備えて部隊を国境付近に派遣し、緊急事態宣言の発令も視野に入れている。








