イギリス、駐英フランス大使を呼び出し 漁業権めぐり「不当な脅迫」と非難

画像提供, Arjan Buurveld
イギリスは28日、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)後の漁業権をめぐりフランスとの対立を深める中、フランスが「不当な」脅迫をしていると非難し、駐英フランス大使を召喚すると発表した。
リズ・トラス英外相はカトリーヌ・コロンナ駐英フランス大使に対し、後日会談を行い、「失望させるような不均衡な脅迫」について説明するよう求めている。
トラス氏は28日夜、同僚のウェンディ・モートン欧州担当相に対し、29日に仏大使を召喚して会談を行うよう要請したとツイートした。
英政府の報道官は、「フランスによる行動は不当であり、イギリスとEUの貿易・協力協定(TCA)におけるEU側の役割や広範な国際法に適合しているとは思えない」と述べた。
「この問題に関して仏政府が一貫して使用してきた対立的な言葉を遺憾に思う。こうした言葉がこの現状の解決を難しくしている」
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英トロール船を拿捕
イギリスとフランスはブレグジット後の漁業権をめぐり対立している。27日にはイギリスのトロール漁船1隻がフランス当局に拿捕(だほ)され、別の1隻が罰金を科された。
フランス当局は拿捕した1隻について、仏領海での漁業許可を持たずにセーヌ湾で漁をしていたため、埠頭(ふとう)に係留し、「司法当局に引き渡した」としている。
しかし、ジョージ・ユースティス英環境相は、欧州連合(EU)が当該船舶に漁業許可を与えていると主張。報道によると、環境相はEUに提示されたリストから後にこの船が削除された理由が「不明瞭」だと述べた。
フランスの最後通告
フランスは、イギリスと英王室属領のジャージー島が9月、フランス漁船に漁業認可を与えなかったことを批判。ブレグジット協定に違反していると主張している。
その上で、11月2日までに漁業権をめぐる合意が形成されない場合、イギリス漁船やトラックへの検査を厳格化すると発表。また、英仏海峡の島への電力供給を断つこともできると警告していた。
フランスは27日、1週間後の11月2日から以下の「対象を絞った措置」を行うとイギリスに最後通告を行った。措置にはイギリス漁船がフランスの港で陸揚げすることの阻止や、イギリス製品に対する国境での検査の拡大などが含まれる。
フランスのクレメント・ボーヌ欧州担当相は、「我々は強い言葉を使う必要がある。残念ながら英政府はそういう言葉しか理解しないようなので」と、仏テレビニュース・チャンネルCNewsに述べた。
英仏の漁業問題に「巻き込まれた」
拿捕された船は「Cornelis Gert Jan」号。
同船を所有する英スコットランドのマクダフ・シェルフィッシュ社は、船は仏領海内で合法的に漁を行っていたとしている。
同社のアンドリュー・ブラウン氏は、英ウェスト・サセックス州ショアハムを拠点とするCornelis号が、イギリスとフランスのブレグジット後の漁業問題に「巻き込まれた」ようだと述べた。
同氏は、「迅速な解決」がなければ船の漁獲物が仏当局に没収される恐れがあると警告。「イギリス漁船団の権利を守る」よう英政府に求めた。
英仏海峡での規制強化
フランスのアニック・ジラルディン漁業相はツイッターで、2隻はル・アーヴル港沖で検査を受けていたと説明した。ホタテ漁の時期に実施される通常の検査だったという。
しかし、ジラルディン氏は、この検査は「イギリスと欧州委員会の間で漁業許可に関する議論が行われる中、英仏海峡での規制が強化されていることを背景に」実施されたものでもあると付け加えた。
イギリスとEUとの協定では、フランスの漁業者がイギリスやジャージー島周辺海域での漁の許可を得るには、同海域での漁業歴を明らかにする必要がある。イギリスは今回却下された申請書について、同海域での漁業歴を示す証拠が不十分だったと主張している。
27日に行われたフランス、ジャージー島、イギリス、欧州委員会関係者による会議では、フランス船162隻に対し、29日からジャージー島周辺海域での漁を認める許可が与えられた。
ジャージー島の政府は、フランスが制裁を科すと脅したことについて「非常に失望している」としている。フランスの複数のトロール船は以前、同島のセント・ヘリア港の外で抗議活動を行った。







