ワクチン接種進まなければ再び各種制限も 英保健相が警告

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イギリスで新型コロナウイルスの感染者が増加する中、サジド・ジャヴィド保健相は20日、十分な数の人々がワクチン接種を受けなければ、イングランドで再び感染症対策の制限を実施する可能性が高まると警告した。
ジャヴィド保健相は、「現段階では」マスク着用や在宅勤務の義務化といった対策を導入する予定はないと説明。また、現時点で国民保健サービス(NHS)にかかっている負担は、医療提供を継続できなくなるほどではないと述べた。
一方で、感染報告件数が1日10万件に上る可能性があると指摘している。
イギリスでは20日、新たに4万9139人の感染が報告され、8日間連続で4万人を超えている。
NHSのトップらは、イングランドが「冬に危機を迎える」のを避けたいなら、一部の制限を今すぐに再導入するべきだと訴えている。
現在のイギリス政府の新型コロナウイルス対策は、NHSに「サービスを継続できなくなるほどの負担」がかかった場合に、各種制限を再発令するとしている。
それらの制限には、ワクチン接種や陰性を証明するいわゆる「COVIDパスポート」の利用の義務化も含まれているという。
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イギリスでは19日時点で、7891人がCOVID-19で入院している。検査で陽性が判明してから28日以内に亡くなった人は、20日は179人だった。
一方、12歳以上でワクチンを接種していない人は人口の約14%となっている。
イギリスでは現在、ワクチンの2回目の接種から6カ月以上たった人を対象に追加接種を行っている。
医療機関は「継続不能ではない」
ジャヴィド保健相は首相官邸での記者会見で、「十分な人数がワクチンを追加接種しなければ、十分な数の対象者が元々のワクチン接種に参加しなければ(中略)、そういう人たちが接種に積極的にならず、普段会わない人たちが大勢いる混雑した場所でマスクを着けず、手洗いなどの対策をしなければ、我々全員に被害が及ぶ」と述べた。
「そしてもちろん、制限が増える可能性が高まることになる」
一方で首相官邸は先に、イングランドで再びロックダウンを行う計画はないと発表していた。
NHSが受けている負担についてジャヴィド氏は、「誤解しないでほしいのは、救急治療や初期医療の場には大きな負担がかかっている。しかし現時点では、継続不能ではないと思う」と述べた。
「継続できなくなると感じた時には(中略)すぐに策を講じるだろう」

NHSイングランドの全国医務主任を務めるスティーヴン・ポウィス教授は、新型ウイルスの感染者が各地で増えており、入院者数も増加するとみていると述べた。
「NHSは間違いなく予想以上に忙しくなっているし、NHSの各組織からも常にそういう報告が出ている」
ポウィス教授はまた、政府が新たな制限を課すきっかけとなるような「数字は出ていない」ものの、感染率やワクチンの効果、入院者数、インフルエンザなど他のウイルスの動向などを注視していると話した。
最大野党・労働党のジョナサン・アッシュワース影の保健相は、ジャヴィド氏が油断していると批判。BBCの取材に対し、「ワクチン接種によって築いた防御壁は崩れ始めている、それが真実だ」と述べた。
また、ジャヴィド氏が「この状況でどのようなかじ取りを行い、必要なワクチン接種を推進するのか」詳細を述べなかったことに失望したと話した。
2種類の治療薬供給に合意
こうした中イギリス政府は、新たに2種類のCOVID-19治療薬について供給を受ける契約を交わした。
合意したのは、米医薬品大手メルクが開発した経口治療薬「モルヌピラビル」を48万回分と、米ファイザーの「PF-07321332/リトナビル」を25万回分。モルヌピラビルは先に、臨床試験で入院・死亡例が半減することが判明している。
一方のリトナビルは、現在臨床試験が行われているという。
イギリス保健省は、医薬品当局がこれらの薬を承認すれば、今冬にも数千人もの患者の治療に使われることになると述べている。










