ケニア陸上女子選手刺殺、逃走していた夫を逮捕

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今夏の東京オリンピックの陸上女子5000メートルで4位に入賞したケニア代表のアグネス・ティロップさん(25)が自宅で刺殺された事件で、ケニアの警察は14日、ティロップさんの夫エマニュエル・ロティッチ容疑者を逮捕したと発表した。
当局によると、ロティッチ容疑者は沿岸の街モンバサで拘束された。捜査が完了次第、訴追されるという。
ジョージ・キノティ犯罪捜査局長は、逃走していたロティッチ容疑者の身柄を拘束したとAFP通信に語った。
ティロップさんは13日、西部イテンの自宅で刺殺されているのが発見された。イテンはトップアスリートの練習拠点となっている。
ティロップさんは東京五輪の女子5000メートルで4位に入賞したほか、世界選手権の女子1万メートルでは2度、銅メダルを獲得した。
2015年の世界クロスカントリー選手権では優勝を収めた。先月ドイツで行われたロードレース女子10キロでは、30分1秒の世界記録を樹立した。

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ティロップさんのキャリアを称賛
ケニア陸上競技の元キャプテン、ジュリアス・イェゴ氏は、「彼女は素晴らしい若い女の子で、世界のトップアスリートの1人になるために本当に懸命に努力していた」と、BBCワールド・サービスの番組「Newsday」に語った。
「彼女は最高の選手になりたいと思っていた。そしてほんの数週間前には、(ロードレース女子)10キロの世界記録を更新した。彼女の輝かしいキャリアは道半ばだったのに、残念なことに誰かが、彼女の物語のすべてを描けないようにした」
「私たちは偉大な才能を失った。彼女はとても強い女性で、自分がやっていることに全力で取り組んでいた」
2016年リオデジャネイロ五輪のやり投げで銀メダルを獲得したイェゴ氏は、ティロップさんについて「とても穏やかで、謙虚で、いつも微笑んでいた」と語った。
ティロップさんが「悲しんだり、怒っている様子を見せることは1度もなかった」とし、驚くほど「トレーニングと自分のキャリアに集中していた」と付け加えた。
「昨日は私たちにとってつらい1日だった。今でもショックを受けている。ソーシャルメディアやテレビを見るとアグネスの悲しいニュースが流れてくる。私たちはまだ自分たちの気持ちを落ち着かせようとしている」
陸上界などから哀悼の声
ケニア陸連は14日、ティロップさんに敬意を表すため、すべての陸上競技大会を2週間中止すると発表した。
世界陸連のセバスチャン・コー会長も同日、ティロップさんを「過去6年における世界最高の長距離走者の1人」だったとし、その死を惜しんだ。
そして、「陸上界は、最も悲劇的な状況下で最も輝かしい若いスターの1人を失った」、「陸上競技界全体だけでなく、特に彼女の家族や友人、そしてケニア陸連にとって大きな痛手だ」と付け加えた。
「皆さんに心から哀悼の意を表します」
国際オリンピック委員会(IOC)のトマス・バッハ会長は、「若く輝かしい才能ある人だった」とし、「多くの人に希望とインスピレーションを与えた」と振り返った。
ティロップ氏は先月、自身のスポンサーであるドイツのアディダス社の本社で、ロードレース女子10キロの世界記録を樹立した。同社もソーシャルメディアで哀悼の意を表した。






