フランスの外相、米豪は「うそつき」だと批判 新たな安保枠組み

French Foreign Affairs Minister Jean-Yves Le Drian speaks during a news conference with U.S. Secretary of State Antony Blinken at the French Ministry of Foreign Affairs in Paris, France, June 25, 2021.

画像提供, Reuters

画像説明, フランスのジャン=イヴ・ルドリアン外相は、アメリカとオーストラリアを厳しく批判した

フランスのジャン=イヴ・ルドリアン外相は18日、アメリカとイギリス、オーストラリアの3カ国が新たに構築した安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」について、アメリカとオーストラリアがうそをついていたと批判した。

AUKUSでは、アメリカからオーストラリアに原子力潜水艦の建造技術が提供される。領有権争いがある南シナ海における、中国の影響力に対抗することが狙いとみられている。

一方でこれにより、フランスがオーストラリアと結んでいた500億豪ドル(約4兆円)規模の潜水艦製造契約が破棄されることが決まった。

フランス政府は、この枠組みの構築を発表の数時間前に知ったという。政府はすでに、両国に駐在している大使を呼び戻している。

<関連記事>

民放フランス2のインタビューでルドリアン外相は、アメリカとオーストラリアの動きは「二枚舌で、信頼を裏切り、侮辱的」だと非難した。

また、アメリカとの同盟関係に「深刻な危機」が始まっていると指摘した。

「アメリカとフランスの関係において史上初めて、我々が諮問のために大使を呼び戻す事態になった。このことが、両国間の危機がいかに深刻かを物語っている」

ルドリアン外相は、大使らは「状況を再評価」するために呼び戻されていると説明している。

一方で、3カ国目のイギリスについては「常にご都合主義で立場を変える」と批判。ただし、駐英フランス大使を呼び戻す「必要はない」と語った。

「イギリスは今回の件に関して、余計な存在のようなものだ」

今週行われた内閣改造で英外相に就任したばかりのリズ・トラス氏は19日、日曜紙サンデー・テレグラフでAUKUSを擁護。イギリスが利益の防衛に「現実的に」取り組む準備ができている現れだと述べた。

豪は7番目の原潜保有国に

Who has nuclear-powered subs?
画像説明, 原子力潜水艦の保有国。オレンジ色が弾道ミサイル搭載原子力潜水艦、白色はその他の攻撃型原潜の数を示す(出典:国際戦略研究所)
1px transparent line

AUKUSにより、オーストラリアは世界で7番目の原潜保有国となる。また、3カ国はサイバーや人工知能(AI)、水中防衛の分野などでも技術を共有する。

フランスは2016年、オーストラリアから潜水艦12隻の製造契約を獲得していた。

ジャン=ピエール・テボー駐豪フランス大使は、オーストラリアの契約破棄は「とんでもない間違い」だと述べている。

一方、中国はAUKUSについて、3カ国は「時代遅れの冷戦思考」をいまだに持っていると批判した。

米ホワイトハウスの高官は、バイデン政権が数日以内にフランス政府とやりとりをして、相違の解消に取り組むと発表した。

オーストラリアのマリーズ・ペイン外相は、フランスの「落胆」は理解できると述べた上で、「我々が(フランスとの)二国間関係をいかに重視しているか」確実に理解してもらえるよう協力していきたいと語った。