米NY州クオモ知事が辞意表明 セクハラ認定で辞任圧力高まる

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複数の女性からセクハラを告発されていた米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(63、民主党)は10日、辞意を表明した。クオモ氏をめぐっては、ニューヨーク州司法長官が3日に、複数の女性に性的な不法行為を重ね、連邦法や州法に違反していたと報告。これを受け、同氏解任に向けた動きが出ていた。
クオモ知事は、「いま私にできる最善の方法は、自分が身を引くことだ」と述べた。一方、性的な問題行動疑惑は否定し続けた。知事の辞任は14日後に発効となる。
クオモ氏はわずか1年前には、新型コロナウイルスのパンデミックについて日々、真剣にブリーフィングを行っていた。何百万人ものアメリカ人がテレビを介して耳を傾け、クオモ氏は称賛を受けていた。
しかし最近では、ジョー・バイデン米大統領をはじめとする民主党員から辞任するよう圧力を受けていた。
NY州初の女性知事就任へ
スキャンダルが浮上する中でニューヨーク州知事が職を退くのは、クオモ氏で3人目。
辞任後はキャシー・ホークル副知事(62、民主党)が昇格し、同国で4番目に人口の多い州で初の女性知事となる。
ホークル氏はニューヨーク州バッファロー地区出身の中道派民主党員。クオモ氏の側近ではないが、クオモ氏は10日、ホークル氏を「スマートで有能」と評した。
ホークル氏はクオモ氏の辞任は「正しいこと」だと述べた。同氏は声明で、「あらゆるレベルの政府に仕えてきた者として、また後任として、私はニューヨーク州の第57代知事として州を率いる用意ができている」とした。

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なぜ辞任するのか
ニューヨーク州のレティシア・ジェイムズ州司法長官は3日、クオモ氏が複数の女性に性的な不法行為を重ね、連邦法や州法に違反していたと報告した。
報告によると、州職員を含む計11人の女性がクオモ氏による問題行動の被害に遭ったと主張している。女性たちは性的な発言を受けたり、不適切に触れられたり、同意なくキスされたという。
この報告を受け、米連邦議会下院のナンシー・ペロシ議長やチャック・シューマー上院院内総務、ニューヨーク州の上院議員2人など、多くの著名な民主党員がクオモ氏批判に転じた。
ニューヨーク州の民主党員はクオモ氏の弾劾に向けて動き始めていた。同氏は疑惑に絡み刑事訴追される可能性がある。
クオモ氏はセクハラ疑惑を否定し続けた一方で、自分の行動で不快な思いをした女性たちに「深く、深く」謝罪したいと述べた。
「私の考えでは誰に対しても一線を越えたことがない。しかしその一線が、どれだけ変わっていたかということを認識していなかった」
そして、「政治的動機によるものだと考えており、この論争を戦い抜く」と付け加えた。
ただ、このスキャンダルの「現時点の進展」を考慮すると、政治を何カ月にもわたり停滞させ、納税者に何百万ドルもの負担を強いる」ことになると思い、辞任を決めたとした。
家族や大統領らの反応
クオモ氏は今回の疑惑によって娘たちとの関係が損なわれたと述べた。
「娘たちとソファーに座り、何週間にもわたってひどい告発を聞いた。娘たちのあんな目や表情を目の当たりにして、つらい」
娘たちには、「意図的に女性を軽視したことはなく、これからもしない」と伝えたという。
クオモ氏の辞意表明を受け、同氏を長年批判してきたニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は、クオモ氏はとっくに辞任すべきだったとした。
バイデン大統領はホワイトハウスで記者団に対し、「知事の決断を尊重する」と述べた。
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は先に、クオモ氏の疑惑が報じられて以降、バイデン氏は旧友であるクオモ氏と話をしておらず、辞任については事前に知らされていなかったと説明した。
一方、クオモ氏の弟で、米CNNでゴールデンタイムの番組のキャスターを務めるクリス・クオモ氏をめぐり、辞任発表に先立って兄に助言していたことが明らかになり、同じく辞任を求める声が上がっている。
クリス氏は5月、兄に対する最初の不正行為申し立てをどう処理するのか、兄と戦略を練っていたことを視聴者に謝罪した。放送中に自分がこの問題を取り上げるのを拒否し、公式の報告書についてはコメントしていない。それ以来、休みに入っている。
クオモ知事をめぐっては、ニューヨークの介護施設での新型ウイルス感染症COVID-19による死者数を実際より少なく公表していた疑惑が浮上し、連邦政府が別の調査を進めている。











