【東京五輪】 米女子体操バイルス、「心の健康」理由に個人総合も欠場

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東京オリンピック体操女子団体決勝を途中棄権したアメリカのシモーン・バイルス選手(24)が、29日の個人総合決勝を欠場することが明らかになった。米体操連盟(USAG)が28日に発表した。バイルスは27日、「自分の心の健康に集中しなくてはならない」と述べていた。同選手は2016年リオ五輪で女子の団体総合、個人総合、跳馬、床運動の4冠を達成したアメリカのエース。
USAGは28日、「さらなる医学的評価の結果、シモーン・バイルスは個人総合決勝を欠場する。私たちはシモーンの決断を心から支持し、自分のウェルビーイング(人が健康で幸せな、良好な状態にあること)を優先するという彼女の勇気を称賛する。彼女の勇気は、なぜ彼女が大勢の模範となっているのか、その理由を改めて示すものだ」とツイートした。
今大会で団体総合の全4種目にエントリーしていたバイルスは27日、1種目の跳馬演技で13.766と、自身の五輪成績で過去最低の点数を出した。この後、演技を取りやめ会場をいったん退場した。
その後、チームメイトを応援するため会場に戻った。段違い平行棒と平均台、床運動には代わりにジョーダン・チャイルズ(20)が出場した。アメリカは銀メダルを獲得した。
「あの演技の後、もう続けたくなかった」と試合後にバイルスは述べた。
「自分の心の健康に集中しなくてはならない。スポーツ界では今、メンタルヘルスの問題への認識が前より広まっていると思う」
「私たちは自分の心と体を守らなくてはならない。ただ世界に求められることを、そのままやればいいというわけではない」
「私はもう以前のように自分自身を信じられない。年をとったせいかもしれない。みんなが私のことをツイートしていて、世界の重みを感じることが何日かあった」
「私たちは単なるアスリートではない。結局のとろこ私たちは人間で、時には後ろに下がることも必要だ」
「演技を続けて、何かばかな真似をして、けがをしたくなかった。多くのアスリートが声を上げてくれたことが、本当に助けになっていると思う」
「ここはオリンピック。ものすごい大舞台。1日の終わりに、担架で運ばれるようなことにはなりたくない」

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スポーツ選手の心の健康をめぐっては、5月にはテニスの大坂なおみ(23)が、自身のメンタルヘルスを守るためと説明し、全仏オープンを棄権。英女子陸上のカタリナ・ジョンソン=トンプソン、米バスケットボールのステフィン・カリーなど複数のスポーツ選手から支持が集まった。
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バイルスは2016年リオ五輪で金メダル4語と銅メダル1個を獲得するなど、女子体操界の頂点に立ってきた。
今大会では、出場している個人5種目でいずれも決勝まで進み、29日に個人総合、8月1日に跳馬と段違い平行棒、同2日に床運動、同3日に平均台を控えていた。
個人総合で優勝すれば、1964年と1968年のヴェラ・チャスラフスカ(チェコスロヴァキア)以来となる、五輪での女子個人総合連覇となるはずだった。
また、五輪と世界選手権で計30個のメダルを獲得してきたバイルスは、東京五輪で4度表彰台に上がれば、男女を通じ、体操選手として史上最多の世界大会のメダルを獲得できる見通しだった。
米体操女子団体は2011年、2014年、2015年、2018年、2019年に世界タイトルを獲得。ロンドンとリオ五輪では連覇を果たしており、今大会の金メダル有力候補だった。
バイルスはインスタグラムに団体のチームメイトと銀メダルを手にした写真を投稿。「この子たちをすごく誇りに思う。みんな信じられないほど勇敢で優秀! 諦めずに逆境に立ち向かうみんなの決意に、果てしなく元気をもらっている。私が演技できない時、みんながここぞと活躍してくれた。私のそばにいてくれて、支えてくれてありがとう!みんな永遠に大好き」と書いた。








