キューバ反政府デモ、初の死者 治安部隊が襲撃との証言も

A police officer guards the areas surrounding the Capitol in Havana after anti-government unrest

画像提供, EPA

画像説明, 13日から町中に警官が動員された。写真は首都ハバナの国会議事堂周辺を警備する警官

大規模な反政府デモが続くキューバの当局は13日、デモに参加していた男性1人が死亡したと発表した。経済危機や食料不足、新型コロナウイルス対策などへの不満に端を発した抗議活動で死者が確認されたのは初めて。

国営メディアは、ディウビス・ローレンシオ・テヘダさん(36)が首都ハバナ郊外で12日に死亡したと伝えた。

当局によると、テヘダさんは政府施設を攻撃したグループの一員だったという。しかし目撃者は、治安部隊が同グループのメンバーを狙っていたとしている。

社会主義のキューバで全国的な反政府デモが起きるのは異例。

デモには数千人が参加。経済的崩壊や、食料や医薬品の不足、物価上昇のほか、政府の新型ウイルス感染症COVID-19への対応に反発した。キューバでは、こうした無許可集会は違法だ。

ミゲル・ディアスカネル大統領はデモ参加者の行為は「反革命的」だとしている。

政府はアメリカが資金を提供してデモを扇動していると主張。キューバが抱えている問題はアメリカの経済制裁によるものだとした。

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死亡の経緯

テヘダさんが死亡した経緯について、今のところ公式の説明はない。キューバ内務省は声明で、男性の「死を悼んでいる」とした。

国営メディアによると、テヘダさんは12日にハバナ近郊グイネラで、ある集団が政府施設を襲撃したとされる「騒乱」に関与していた。また、治安部隊のメンバーを含む数名が、この襲撃で負傷したという。

しかし目撃者は、襲撃したのは治安部隊の方で、同地域の自然発生的な抗議デモに参加していた人たちが狙われたと証言している。

同地域の住民のワルド・エレーラさんは、警官がデモ参加者に向けて「銃を取り出して撃ち始めた」と、ロイター通信に語った。

「共産党はコントロールを失っており、この状況を解決することはできないと思う」

キューバで何が起きているのか

反政府デモは先週末、ハバナから南約30キロのサン・アントニオ・デ・ロス・バニョスで始まり、すぐにキューバ全土に拡大した。

ソーシャルメディア上では大勢がパトカーを倒したり、商品を外貨建てで販売している国営店舗で略奪したりする様子が投稿された。こうした店舗は、多くのキューバ人が生活必需品を購入する唯一の場所で、商品が高額で売られている。

13日になると町中に警官が動員された。これまでに100人以上が逮捕され、多くの人が親族の居場所に関する情報を求めている。

ハバナの警察署で21歳の息子のことを尋ねた女性は、息子が「手錠をかけられて殴られ」自宅から連れて行かれたとAFP通信に語った。また、「この地域から若者も年寄りも連れて行かれた」と付け加えた。

BBCムンド(スペイン語サービス)の電話取材に応じた、カルロス・アルベルトと名乗る若い男性は、デモに参加した後、ガールフレンドの家に隠れていたという。

「自分の身にも同じことが起こるのではないかと恐れている」と男性は述べた。「私たちは自由を求めているだけだ。このような態度では、自分たち(政府)が独裁者であることを示しているようなものだ」。

インターネットを遮断か

キューバでは島全域でインターネットが遮断されたとの情報もある。同国では2018年12月からモバイル・インターネットへのアクセスが開始されたが、国家に制御されている。

デモ参加者やアーティスト、記者らが拘束されている。この中には、スペイン紙ABCに寄稿しているキューバ人ジャーナリストのカミラ・アコスタ氏も含まれる。

スペインのホセ・マヌエル・アルバレス外相は13日、アコスタ氏の即時釈放を求めるツイートを投稿。「自由かつ平和的に」デモを行う人々の権利を尊重するようキューバ政府に求めた。

Map of Cuba protests
画像説明, キューバ全土で抗議デモが起きている。赤丸は抗議デモが報告された場所