イタリア・ファン歓喜、イングランド・ファン落胆 ユーロ2020決勝

Italian football fans celebrate in Rome. Photo: 11 July 2021

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画像説明, イタリアの優勝に歓喜するローマのファンたち

サッカーの欧州選手権(ユーロ2020)決勝が11日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムであり、イタリアがPK戦3-2でイングランドに勝ち、優勝した。イタリア各地ではファンが歓喜にわく一方、地元イングランドでは多くのファンが落胆し、明暗が分かれた。

PK戦でイタリアのGKジャンルージ・ドンナルンマがイングランド5人目のブカヨ・サカが蹴り込んだボールを止めた瞬間、ローマのファンゾーンでは、勝利を喜ぶ数千人のファンが飛び上がり、歓声を上げながら、お互いを抱きしめあった。

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イタリアのユーロ優勝は1968年以来。

イングランドにとっては、1966年にワールドカップで西ドイツに勝って優勝して以来の、55年ぶりの主要タイトル決勝進出だった。

イタリア歓喜

Italian football fans in Rome react during the Italy-England Euro 2020 final in London. Photo: 11 July 2021

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画像説明, 決勝は緊迫した展開となり、ローマのファンたちは興奮と落胆を繰り返した
Supporters of the Italian national football team celebrate after Italy beat England 3-2 on penalty shootout to win the the UEFA EURO 2020 final football match, at the Fori Imperiali fanzone, in Rome

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画像説明, イタリアがPK戦を制し優勝が決まった瞬間、歓喜にわくローマのファンゾーンの人たち
Italy fans celebrate as they drive in a car in Naples. Photo: 11 July 2021

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画像説明, イタリアのユーロ優勝を喜ぶナポリの人たち

優勝が決まると、イタリア各地の往来で即席のパーティーが始まった。

「すごくうれしい! 欧州チャンピオンになって、一晩中お祝いするつもり! 一晩中お祝いする!」と、ローマのベアトリーチェ・マッティオリさんはロイター通信に話した。

「素晴らしい、素晴らしい、これ以上最高の気分はない。すごい。決勝に勝ったんだ!」と、ローマのステファーノ・グッチさんも興奮気味に話した。

イングランド落胆

Fans after England lose the game on penalties at the Trafalgar Square Fan Zone in London

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画像説明, 片やロンドン中心部トラファルガー広場のファンゾーンでは、多くのイングランド・ファンが肩を落とした

イングランド・チームはワッペンの紋章に使われる3匹の獅子から、「スリー・ライオンズ」の愛称で親しまれる。そのスリー・ライオンズを、地元ウェンブリー・スタジアムで約6万人が見守ったほか、数百万人が各地のパブやファンゾーンや自宅で応援していた。

英王室からは、ケンブリッジ公爵ウィリアム王子夫妻と長男ジョージ王子が、ウェンブリーで観戦。試合中はイングランドの活躍に一家で大喜びしていたが、勝敗が決まると夫妻はイタリア代表をたたえた。

ウィリアム王子とキャサリン妃はツイッターで、「とても悲しい。アッズーリには、偉大な勝利おめでとう」と書いた。「アッズーリ」はイタリア代表のチームから、青を意味するイタリア語で、イタリア代表の愛称。

「イングランド、みんな本当に大躍進だったけれども、残念ながら今回は私たちの番ではありませんでした。みんな頭を高く掲げて、自分を本当に誇らしく思ってもらいたい。これからも絶対また機会はあります」と、王子夫妻は書いた。

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Catherine, Duchess of Cambridge, looks on in despair as England lose on penalties at Wembley

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画像説明, PK戦の最中のケンブリッジ公爵夫人キャサリン妃

ボリス・ジョンソン英首相はツイッターで、イングランド代表が「英雄のようにプレーした」とたたえ、「見事な活躍で、国民の誇りとなった。大いに称賛されるべきだ」と書いた。

ロンドンのサディク・カーン市長は、「イングランドのみんな、なんていうユーロ2020を私たちに経験させてくれたんだろう。今大会で歴史を作った。この夏のみんなほどのイングランドのプレーやチームそのものを、誰もめったに見たことがない」とツイートした。

新聞各紙は試合結果を待って早版の締め切りを遅らせた。多くの新聞が、最後のペナルティーキックを止められ悲嘆にくれるサカを、ギャレス・サウスゲイト監督が抱きしめる写真をトップに使った。大衆紙サンはそこに「ライオンのプライド」という見出しをつけた。プライド(pride)には「誇り」という意味のほか、「ライオンの群れ(集団)」という意味もある。ロンドンの無料紙メトロは、「ライオンを誇らしく思う」と見出しをつけた。

England fans react after Italy won the Euro 2020 at Trafalgar Square

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画像説明, トラファルガー広場に集まったイングランドのファン
England fans draped in national flags leave Wembley stadium in London. Photo: 11 July 2021

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画像説明, イングランド旗をまとい、ウェンブリーを後にする人たち
A fan is covered in a drink thrown at a police line in central London

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画像説明, イングランドとイタリアのサポーターを引き離そうとする警官に向かって、イングランドのファンが罵倒したりビールを投げかけたりした。そ

英中部バーミンガムのパブリックビューイング会場では、10代のファン、ジャック・スミスさんが「いきなりペナルティーをやる羽目になった若い選手たちが気の毒だ。もっと大物たちが手を上げるかと思ったのに」と落胆をあらわにした。

北部ニューカッスルではミリー・カーソンさん(18)が、「せっかくここまで来たので、勝てたら最高だった。でもこのチームのおかげで、国民が団結した。今は大変な時だけど、このチームのおかげでみんなすごく楽しい思いができた」と述べた。

一方、ペナルティーキックを外したマーカス・ラッシュフォード、ジェイドン・サンチョ、ブカヨ・サカの3選手に対して、試合後にソーシャルメディアで人種差別的な中傷が相次いだ。

これを受けてイングランド・フットボール協会(FA)は直ちに、強い非難のコメントを発表。「このようなおぞましい行動をする人間は、代表チームのサポーターとして受け入れない」と述べた。「誰だろうと責任者には厳罰を求める」として、政府には差別言動への厳罰法制化を急ぐよう呼びかけると共に、ソーシャルメディア各社には「このようなひどい真似をする者たちをプラットフォームから排除するため行動し、起訴につながる証拠を集め、自分たちのプラットフォームからこのような忌まわしい虐待行動をなくすよう支援する」よう求めた。

試合前には、チケットのない多くのファンがウェンブリー内に乱入しようとした。ロンドン警視庁は、「警備が突破」され、「少数の人間がチケットなしにスタジアムに入った」と発表した。

こうしたファンについてもFAは、「まったく容認できない」として、「イングランド代表に恥辱を与える」行動だと非難した。