ユーロ決勝でPK失敗、3選手に人種差別的な中傷相次ぐ イングランド協会が非難

Sancho and Rashford

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画像説明, イングランド代表のMFジェイドン・サンチョ(左)とFWマーカス・ラッシュフォード(右)はイタリアとの決勝戦でPKを外した

サッカーの2020年欧州選手権(ユーロ2020)の決勝戦でペナルティーキック(PK)を外したイングランド代表選手3人が、人種差別的な中傷を受けた問題で、イングランド・フットボール協会(FA)は11日、こうした中傷を非難するコメントを発表した。

英ロンドンのウェンブリー・スタジアムで11日に行われた決勝戦では、イタリアとイングランドが1-1で延長戦に突入するも決着がつかず、PK戦にもつれ込んだ。

先攻のイタリアとイングランドは、1人目のFWドメニコ・ベラルディとFWハリー・ケインがそれぞれ成功。イタリアは2人目のFWアンドレア・ベロッティが失敗し、イングランドはDFハリー・マグワイアが右上に決めた。3人目ではDFレオナルド・ボヌッチが決め、イングランドのFWマーカス・ラッシュフォードが外して2-2で並んだ。

イタリアは4人目のFWフェデリコ・ベルナルデスキが成功したものの、5人目MFジョルジーニョが失敗。イングランドは4人目のMFジェイドン・サンチョ、5人目のMFブカヨ・サカが外した。サカのシュートをイタリアのGKジャンルージ・ドンナルンマが止めた瞬間、イタリアが優勝を決めた。

England"s Bukayo Saka with manager Gareth Southgate after the match

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画像説明, 最後のPKを外して泣くサカを抱きしめるサウスゲイト監督

こうした試合後のソーシャルメディアには、PKを外したラッシュフォード、サンチョ、サカの3選手に対して人種差別的な中傷が相次いだ。

FAは、差別的中傷に「愕然(がくぜん)とした」と間もなくコメントした。

中傷について捜査を進めているロンドン警視庁は、「このようなことは許されない」とツイートした。

イングランド代表選手たちは今大会で、人種差別との戦いを強調するために試合前に膝をつくジェスチャーをしていた。

「おぞましい行為」

FAは声明で、「このようなおぞましい行動をする人間は、代表チームのサポーターとして受け入れないということを、これ以上ないほど明確にお伝えする」と述べた。そして、「影響を受けた選手をサポートするために全力を尽くすと共に、誰だろうと責任者には厳罰を求める」とした。

「我々は大会から差別をなくすためのあらゆる努力を継続するが、こうした中傷に対して現実世界で責任を負わせるために、迅速に行動し、適切な法律を導入するよう政府に切実に求める」

「ソーシャルメディア企業は、このようなひどい真似をする者たちをプラットフォームから排除するため行動し、起訴につながる証拠を集め、自分たちのプラットフォームからこのような忌まわしい虐待行動をなくすよう支援する必要がある」

過去にも差別

ラッシュフォードは5月のUEFAヨーロッパリーグ決勝戦で、所属するマンチェスター・ユナイテッドがスペイン・ビジャレアルにPK戦で11-10で敗れた後、ソーシャルメディア上で差別的中傷を受けた。ラッシュフォードはこの時のPK戦ではシュートを決めていた。

昨年5月に米ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に押さえ付けられ死亡した事件に端を発した、人種差別に対する抗議活動には、サンチョらスポーツ界のスター選手が加わった。

ソーシャルメディア各社は以前から、プラットフォーム上での人種差別的な行為に対する対策が不十分だと非難されてきた。インスタグラムは4月、ユーザーがフォローしていない相手からの中傷メッセージを自動的に排除できるツールを発表した。

インターネット上で多数の中傷行為があることを受け、多くのクラブやアスリート、スポーツ団体は4月、4日間のソーシャルメディア・ボイコットに参加。人種差別や性差別発言に対してより強い姿勢で臨むよう、企業側に働きかけた。