黒人男性、警官に膝で首を押さえ付けられ死亡 米ミネソタ州

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米ミネソタ州ミネアポリスで25日夕、警察に拘束された際に地面に押さえ付けられた黒人男性が死亡した。これを受け、警察官4人が懲戒免職となった。
男性はレストラン警備員としての勤務歴があったジョージ・フロイドさん(46)。
拘束の様子は動画に撮影されていた。フロイドさんはうめき声を上げ、「息ができない」と白人警官に繰り返し訴えていた。

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警察は、男性と「警察とのやりとり」の中で「医療事案」があり、男性が死亡したと述べた。男性には紙幣を偽造した容疑がかけられていたという。男性の身元は明らかにしていない。
連邦捜査局(FBI)は、警官らが「憲法や法律で守られている個人の権利を意図的に奪った」かを捜査すると述べた。
今回の事件は、2014年にニューヨーク市で警察に逮捕される際に死亡した、黒人男性エリック・ガーナーさん(43)の事件と重なる部分が多い。
アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為の告発は、米各地で起きている。最近はメリーランド州で、男性がパトカーの中で警官に射殺され、大きな注目を集めた。
何があった?
警察の声明によると、偽の20ドル札を使おうとした客がいると商店から通報があった。
警官らは自動車内にいた男性容疑者を発見。酒や薬物などの影響を受けているとみられ、青い車の上に座っていると連絡があったという。

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警官が車から離れるよう命令すると、男性は身体的に抵抗したという。その後、「警官たちは容疑者に手錠をかけ、彼の体調に異常が見られることに気づいた」という。
目撃者が撮影した10分間にわたる動画には、警官によって地面に押さえ付けられている男性の姿が映っている。男性は途中、「殺さないで」と言っている。
目撃者たちは警官に対し、男性が動かなくなっていると伝え、男性の首の上に置いた膝をどけるよう求めた。「鼻血が出ている」、「首から離して」といった声も上がった。
男性はその後、動きが見られなくなり、ストレッチャーに乗せられて救急車で運ばれた。
警察署前で抗議行動
警察は、武器の使用はなかったと説明。警官の体に装着したカメラの映像を、ミネソタ州の捜査当局に提出したと述べた。
地元メディアによると、ミネアポリス市内では26日夕、警察署前で大規模な抗議行動があり、警察は催涙ガスを使って解散させた。
AP通信によると、ミネアポリス警察の実力行使に関する方針は、気道をふさがないように容疑者の首を膝で押さえ付けることを警官に認めている。
ミネアポリス警察トップのメダリア・アラドンド氏は26日の記者会見で、そうした方針を見直す考えを表明した。
「黒人であることは死刑ではない」
アラドンド氏は記者会見で、関係した警官4人を「元職員」と呼んだ。
ジェイコブ・フレイ・ミネアポリス市長も同日、「(警官4人は)懲戒免職となった」、「正しい判断だ」とツイートした。
この発言の前に開かれた記者会見では、フレイ氏は今回の事件について、「まったく、完全にひどい」と表現。
「私は自分が見たことを信じるし、自分が見たのはどの意味からも間違ったことだ」、「アメリカで黒人であることが死刑と等しいことであってはならない」と述べた。
ミネソタ州選出の上院議員エイミー・クロブシャー氏は、「この男性とその家族、私たちの地域、それに私たちの国のため、法の正義が実現されなくてはならない」と話した。クロブシャー氏は、今秋の大統領選で民主党候補者になることが確実視されているジョー・バイデン前副大統領に、副大統領候補者に選ばれる可能性があると報じられている。
2014年のエリック・ガーナーさんの事件では、「息ができない」(I can't breathe)という言葉が、警察の残虐行為を非難するかけ声になった。ガーナーさんは警察に拘束される際、この言葉を11回繰り返した。
事件から5年以上たった昨年8月、ガーナーさんの逮捕に関わったニューヨーク市警の警官1人が懲戒免職となった。訴追された人はいない。










