イギリスは新型ウイルス第3波の初期=科学者 デルタ株で感染拡大

画像提供, PA Media
イギリスが新型コロナウイルス流行の第3波の初期段階にあると、政府に助言している科学者が警告している。
政府の専門家委員会「新型呼吸器系ウイルス脅威諮問グループ(Nervtag)」のラヴィ・グプタ教授(英ケンブリッジ大学)は、新規感染者は「比較的少ない」ものの、インドで特定されたデルタ株が「感染を拡大させている」と指摘した。
その上で、イングランドで今月21日に予定されているロックダウンの緩和を延期すべきだと呼びかけた。
ジョージ・ユースティス環境相は、ロックダウン緩和計画の延期は可能性として排除していないと述べた。一方、産業界からは、ロックダウン延長の悪影響を指摘する声もある。
次回のロックダウン緩和については、12日までに最終決定が下される予定。
また、スコットランドは7日に新型ウイルス対策の制限を緩和する。ウェールズでは3日に、北アイルランドでは10日に、次回の緩和に向けた検討が行われる。
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デルタ株は、昨年秋に英ケントで特定されたアルファ株よりも感染力が強いとされる。イギリスでは昨年暮れから年初にかけて、アルファ株が猛威を振るっていた。
イギリスでは5月31日、6日連続で新規感染者が3000人を超えた。新規感染が3000件を超えたのは、4月12日以来だった。
一方この日、イギリス国内で検査で陽性が判明してから28日以内に死亡した人は、スコットランドで1人だけだった。
イングランドでは現在、30歳以上の人がワクチン接種の対象となっている。
「流行の初期段階」
グプタ教授はBBCラジオ4の番組に出演し、イギリスはすでに流行の第3波に入っており、新規感染の少なくとも75%はデルタ株だと指摘した。
「もちろん現時点で新規の感染者数は比較的少ないが、すべての流行の波は目立たない少ない数字が低くゴロゴロ言っている状態から始まり、急に爆発的に増えるものだ。いま流行の波の初期段階にあるということが、重要になってくる」
一方で教授は、多くの市民がワクチンを接種している今、新しい流行は前回の波よりもゆっくりと発生するだろうと語った。
「もう安心だという誤解がしばらく続くかもしれず、それが心配だ」

イングランドのロックダウン緩和計画は次回が最終段階で、屋内外で集まれる人数の上限を撤廃することになっている。
しかしグプタ教授は、6月の緩和を「数週間遅らせ、その間に情報を収集するべきだ」と述べた。
イギリス医師会のチャアンド・ナグポール博士も政府に対し、「できる限り慎重に、制限緩和について考えてもらいたい」と要請。時期尚早な緩和で感染が再び拡大すれば、医療従事者や、コロナ禍で手術を受けられない人々への負担が高まると懸念を表明した。
産業界は「崖っぷち」と
飲食業界団体「UKホスピタリティー」のケイト・ニコルズ会長は、6月に規制が全解除されなければ業界に「深刻な」影響が出ると述べた。
多くの接客施設は現在、社会的距離を保つ施策を守るため、定員の60%で営業している。
音楽業界団体「ライブ」のグレッグ・パームリー会長も、1年以上の休業期間を経て、大規模フェスから小規模なライブハウスまでが6月21日の規制解除に「向けて準備を進めている」と語った。
イギリスの音楽業界は現在、政府と協力して有観客の試験イベントを行っている。パームリー氏は、こうした試験から「音楽イベントは新型ウイルスの影響をほとんど受けず、安全に開催できることが分かった。これ以上休業する理由はない」と述べている。
一方ユースティス環境相はBBCの取材に対し、政府は「一歩ずつ」物事を進めなければならないと説明した。
「どんな可能性も除外できない。これが困難なパンデミックで、状況は流動的だと承知している。期日の数週間前に判断しなければならない」
「そのころになって初めて、前回5月17日に下した決定の影響が見えてくる」









