インド型変異株、イギリスで急拡大 86自治体で確認

フランチェスカ・ジレット、BBCニュース

People queue for a vaccination at a bus in Bolton

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画像説明, インド型変異株の感染が急増しているボルトンではワクチン接種にバスが使われている

イギリスで新型コロナウイルスのインド型変異株が広がっている。マット・ハンコック保健相は17日、感染者が5人以上確認された地方自治体(行政区画、単一自治体など)は86に上ると明らかにした。

「これはボルトンやブラックバーンだけの問題ではない」

ハンコック氏はこの日の議会下院で、インドで特定された「B.1.617.2」系統変異株の感染が急激に拡大しているイングランド北部の自治体の名前を挙げ、こう発言した。

また、国内の同変異株の感染者は2323人に上ると報告した。直近5日間で同変異株の感染者が77%増えたことになる。

ハンコック氏は、「5人以上の感染が確認された地方自治体は86に上る」と述べた。イングランドには343の地方自治体がある。

「ボルトンを見て」

ハンコック氏は、ボルトンやブラックバーンのほか、同じくイングランド北部ダーウェンでも、すべての年齢層において、インド型の変異株が感染の主流になったと明らかにした。

また、そうした地域で入院している患者の多くは、ワクチン接種の資格があったものの、受けない選択をした人たちだと述べた。その上で、接種を迷っている人は「ボルトンで起きていることを見てほしい」と訴えた。

ハンコック氏によると、イングランド中部ベッドフォードでもインド型変異株が急拡大しており、簡易迅速検査を大々的に始めるという。

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専門家らは同変異株について、感染力は強いものの、ワクチンは効くようだとしている。ただ、ワクチンの効果はまだはっきりしない。

ハンコック氏は、イングランドで18日から、37歳以上をワクチン接種の対象に含めるとした。週内には対象をさらに拡大する予定だという。

久しぶりの自由

イギリスでは現在、イングランド、ウェールズ、スコットランドの各地方でロックダウンが緩和され、多くの人々が久しぶりの自由を謳歌している。

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緩和の範囲はそれぞれ異なるが、17日には多くの人が休暇でポルトガルなど外国へと向かった。また、ビンゴ会場やパブにも人々がつめかけた。

他人との接触に関するガイドラインが変更されたことで、同じ家に暮らしていない家族や大切な人とのハグ(抱擁)を、久しぶりにする姿も至るところでみられた。

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Cinema audiences watch Nomadland inside a movie theatre screen at Chapter, Cardiff, as indoor hospitality and entertainment venues reopen to the public following the further easing of lockdown restrictions in Wales.

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画像説明, カーディフの映画館では客がマスクをして社会的距離を取りながら「ノマドランド」を鑑賞していた

ハンコック氏は、「今日はこうして前に進むことができた。それでも私たちはこのウイルスを前に、謙虚でいなくてはならない」と述べた。

英政府は、社会的距離に関するルールの見直しは、予定より遅れる恐れがあるとしている。

また、結婚式の出席者数規制など、残る行動制限を予定通り6月21日に解除するか検討する上で、インド型変異株は「危険因子となりうる」としている。

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ハンコック氏は、病院で入院している新型ウイルス感染者が、昨年9月以降で初めて1000人を切ったと話した。

直近のデータでは、イギリス全国で17日に確認された新規感染者は1979人、死者は5人だった。

一方、ワクチン接種を1回受けた人は3670万人を超えた。2回受けた人は2028万人を超える。