中国、米政府の追加調査方針に反発 新型ウイルス発生源めぐり

Security personnel keep watch outside the Wuhan Institute of Virology during the visit by the World Health Organization (WHO) team tasked with investigating the origins of the coronavirus disease (COVID-19), in Wuhan, Hubei province, China February 3, 2021.

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画像説明, 中国政府は「武漢ウイルス研究所」と新型ウイルスの発生は無関係だとしている

中国は27日、新型コロナウイルスが中国の研究施設から流出した可能性についてアメリカが追加調査を実施すると発表したことを、厳しく批判した。

アメリカのジョー・バイデン大統領は26日、新型ウイルスの発生源に関する調査を情報機関に指示した。90日以内に結果を公表するよう求めている。

これを受け中国外務省の趙立堅報道官は27日、アメリカは「事実や真実を無視し、起源に関する科学に基づいた本格的な調査を気にも留めていない」と反発。

「アメリカの狙いは、パンデミックを使って汚名を着せることと政治的操作、責任転嫁だ。科学を尊重せず、人々の生命に対して無責任で、新型ウイルスとの結束した闘いで足を引っ張っている」と批判した。

さらに、米情報機関には偽の情報を広めた「暗い歴史」があると述べた。

米ワシントンの中国大使館も声明を発表。バイデン氏の指示に直接は触れず、「組織的な中傷と責任転嫁が復活している」とした。

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中国の「武漢ウイルス研究所」から流出したとの憶測は昨年浮上。ドナルド・トランプ前大統領が積極的に取り上げた。

米メディアはこのところ、新型ウイルスが中国の研究施設から出現した可能性を示す証拠が増えており、事故によるウイルス流出があったかもしれないと報じている。

一方、中国政府は、新型ウイルスの流行と「武漢ウイルス研究所」は無関係だとしている。

カナダのジャスティン・トルドー首相は、起源を追加調査するというバイデン氏の方針への支持を表明した。

WHOは流出に否定的

新型ウイルスは2019年遅くに、中国・武漢市で最初に確認された。

以来、世界で1億6800万人以上が感染し、350万人以上が死亡したとされている。

中国当局は初期の感染について、武漢市の海鮮市場が関係しているとした。科学者らは、新型ウイルスが動物から人間に伝染したと考えた。

世界保健機関(WHO)は武漢市での現地調査を経て今年3月、中国の科学者らと共同で、新型ウイルスが研究施設から流出した可能性は「極めて低い」とする報告書を公表した

報告書は、コウモリから人間に伝染したと思われるとし、さらなる調査が必要だとした。

WHO調査団メンバーのウイルス学者マリオン・クープマンス氏は、米当局が何らかの情報をもっているなら共有すべきだと、BBCの取材で話した。

バイデン氏の決意

バイデン氏は26日の声明で、新型ウイルスの起源に関する報告書を提出するよう、大統領就任後に求めていたと明らかにした。「人間が感染動物と接触したからなのか、それとも研究施設の事故によって出現したのか」といった点を調査するよう指示していたという。

報告書は今月提出され、バイデン氏は「追加報告」を求めたとした。

Huanan Seafood Wholesale Market in January, Wuhan

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画像説明, 武漢の海鮮市場は新型ウイルスの初期の感染との関連が疑われている

バイデン氏は、米情報当局においては、2つの機関が「動物との接触説」に傾き、別の1つの機関は「研究施設の事故説」を重視していると指摘。ただ、どちらが有力か判断できるだけの十分な情報がないとした。

そして、「今日をもって、アメリカの情報当局は結束し、可能性は高いが明確な結論が出ていない2つのシナリオについて調べる」と説明。情報機関に対し、「これまでの倍の努力をして情報を収集、分析し、決定的な結論に近づく」よう求めたとした。

27日には記者団に向かい、「私が知らない何かが含まれていない限り」報告書は公表する予定だと述べた。

2つの有力説

アメリカでは、中国の研究施設が発生源とする疑念は根強い。最近も、複数の米情報当局者の話として、「武漢ウイルス研究所」の所員3人が2019年11月に病院に入院したと報じられた。これは、中国が最初に武漢で新型ウイルス感染者を確認したと発表した数週間前のことになる。

バイデン政権の首席医療顧問のアンソニー・ファウチ氏は、新型ウイルスが動物から人間に伝染したとの見方を支持している。ただ今月になって、新型ウイルスが自然発生したのか、自信がもてなくなっていると認めた。

BBCのジョン・サドワース中国特派員は、「動物との接触説」と「研究施設の事故説」はそれぞれに有力な証拠があり、その状況は以前から変わっていないと説明。変わったのは、米中両国の政治状況だとした。

そして、発生源をめぐる議論がどの方向に進んでも、中国が新たな調査団を受け入れる可能性は極めて低いと述べた。