米議事堂襲撃の調査委設置、下院が承認 共和党からも賛成票

Rioters in Washington DC

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画像説明, 連邦議会議事堂の周辺に集まったトランプ前大統領の支持者ら

米議会下院は19日、今年1月の連邦議会議事堂の襲撃事件を調査する委員会の設置法案を、賛成多数で可決した。下院は与党・民主党が多数を占めるが、野党・共和党の一部も賛成に回った。

襲撃事件は、共和党のドナルド・トランプ前大統領の支持者らが中心になって、民主党のジョー・バイデン大統領の大統領選勝利を確定させないために起こしたとされる。

この日の投票では、その共和党から35人が、党指導者やトランプ氏に盾突く格好で、調査委の設置を求める民主党に同調した。投票結果は賛成252、反対175だった。

トランプ氏は調査委設置を「民主党のわな」だとし、反対票を投じるよう共和党議員に強く訴えていた。

法案は上院では可決されない見込み。共和党のミッチ・マコネル上院院内総務は、法案を「偏向している」と批判した。

Capitol police officers point their guns at a door that was vandalized in the House Chamber during a joint session of Congress on 6 January 2021 in Washington, DC.

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画像説明, 議会下院では議会警察の警官がドアに銃を向けた(1月6日)

調査委は、ニューヨークや首都ワシントンなどが標的となった2001年の米同時多発攻撃事件の調査委をモデルにしている。

法案によると、委員10人は与野党が半数ずつ占める。年内に議事堂襲撃の再発防止案を提出する。

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忠誠度テスト

この日の投票は、トランプ氏と共和党に対する忠誠度を示すものとみられた。

トランプ氏は1月6日の議会襲撃事件の後、襲撃を扇動したとして、下院で弾劾決議を受けた。その際に決議案に賛成した共和党の下院議員10人は全員、この日の投票で調査委の設置に賛成した。

その1人であるニューヨーク州のジョン・キャトコ下院議員(共和党)は、「これは事実に関するものであり、党派政治ではない」と話した。

下院国土安全保障委員会で共和党首席委員を務めるキャトコ氏は、「米国民と議会警察のために、答えが出されるべきであり、このようなことが二度と起きないように早急な行動が取られるべきだ」と述べた。

同じく賛成票を投じたオハイオ州のティム・ライアン下院議員(同)は、投票前に議会で演説。「(襲撃事件では)議事堂をよじ登り、議会警察の警官の頭を鉛のパイプでたたいた人がいた。それでも両党で結束できないのか? この国で何が起きれば結束できるというのか?」と訴えた。

一方、法案に反対したジョージア州のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(同)は、調査委を「トランプ支持者を汚そうとする」民主党による策略だと非難した。

A supporter of President Donald Trump carries a Confederate flag on the second floor of the US Capitol near the entrance to the Senate after breaching security defences, in Washington DC. 6 January 2021.

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画像説明, 議会に乱入し、南北戦争で南部連合が使った旗を持って歩く男性(1月6日)

法案の上院での見通しは明るくない。規定により、共和党から10人以上が賛成しないと通過しないからだ。

共和党のジョン・スーン上院院内幹事は、調査委が来年の中間選挙に向けた「政治的な武器」となることを懸念していると述べた。

トランプ氏は大統領退任後、フロリダ州とニュージャージー州のゴルフ場で過ごしている。2024年の大統領選への立候補もほのめかしている。

議事堂襲撃事件へとつながった、「大統領選で勝利が盗まれた」という主張は、いまなお続けている。