米議会襲撃、武装勢力がまた計画か 警察が警告

Members of the National Guard stand at the East Front of the US Capitol in Washington, DC

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画像説明, また議事堂が襲撃されるかもしれないと議会警察は警告している

米連邦議会議事堂の議会警察は3日、武装勢力が4日に再び議事堂襲撃を計画している恐れがあるとして、警告を発した。

議会警察は声明で、「米議会警察は、議会関係者や議事堂への脅威の可能性を承知しており、備えている。特定された武装集団が3月4日木曜に議事堂襲撃を計画しているかもしれないとのインテリジェンス(情報)を入手している。我々はすでに、議事堂と市民と警官たちの安全を確保するため、物理的構造物の確立や人員増強を含む、相当の警備強化を実施している」と述べた。

さらに、「地元、州、連邦の提携機関と協力し、議事堂へのあらゆる脅威を阻止するよう努めている。我々はこの情報を深刻に受け止めている」とし、情報の性質上これ以上の詳細は現時点では公表できないと説明した。

これを受けて米下院は、4日に予定されていた審議を延期した。一方で上院は予定通り、ジョー・バイデン大統領がパンデミック対策に提示した総額1兆9000億ドル(約200兆円)の追加経済対策案を審議する方針という。

なぜ3月4日なのか

ドナルド・トランプ前大統領を支持する過激派陰謀論「Qアノン」の支持者たちは、トランプ氏が4日に大統領として復活すると信じている。

Qアノン派が「3月4日」に固執するのは、1933年に憲法修正第20条の採択で大統領と連邦議会の就任日を1月に変更する前は、連邦政府の幹部は3月4日に宣誓就任していたことが理由。

Qアノン信奉者たちは、アメリカ政府の奥に潜む「悪魔崇拝の小児性愛者」による権力ネットワーク「ディープ・ステイト」の関係者を、トランプ氏が逮捕し処罰するという陰謀論を信じ、バイデン氏の大統領就任は実現しないと1月20日の就任式直前まで主張していた。

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アメリカの治安当局は以前から3月4日にまつわるQアノンのオンライン上のやり取りを承知していたが、米紙ワシントン・ポストによると連邦捜査局(FBI)関係者は2月下旬の時点では「具体的で信憑性(しんぴょうせい)のある計画や暴力の兆候」は得ていないと話していた。

一方で、国土安全保障省のメリッサ・スミスロワ次官補代行(インテリジェンス分析局担当)は議会に対して、「過激派が3月4日と3月6日について話し合っている」という省内通達があったと情報共有した。

1月の襲撃では300人以上起訴

2カ月前の1月6日には、連邦議会がバイデン氏の大統領選勝利を認定している最中、大統領選に勝ったのはトランプ氏だと主張する集団が認定を阻止しようと議事堂を襲撃した。

襲撃によって警官1人を含む5人が死亡し、アメリカ民主主義の根幹が激しく揺さぶられた。議会警察の本部長は警備の不備を批判され、後に辞任した。

動画説明, 米議会襲撃 トランプ氏の演説前に「プラウド・ボーイズ」は何を

米司法省は議会襲撃に関連して、これまでに300人以上を起訴している。逮捕・起訴された中には、Qアノン関係者のほか、「プラウド・ボーイズ」や「オース・キーパーズ」、「スリー・パーセンターズ」など複数の国内極右武装勢力のメンバーが含まれている。

与党・民主党は、議会襲撃を国家への反乱だと位置づけ、民主党が多数の下院はトランプ大統領(当時)が扇動したとして弾劾した。これでトランプ氏は2度も弾劾される初の大統領になったが、与野党伯仲の上院はトランプ氏退任後の2月13日、有罪評決を否決した。

2月末には、ヨガナンダ・ピットマン議会警察本部長代行が議会に、1月の議会襲撃に関わったトランプ派の暴徒は、議事堂を「爆破」し議員たちを殺害しようとしていたと証言した。

動画説明, 米議会襲撃 副大統領や議員らに肉薄した暴徒の映像

国防長官や中央情報局(CIA)長官を歴任したレオン・パネッタ氏はBBCに、1月の襲撃を経た今、警察は徹底的に警備を強化していると述べた。

「国内テロリストについて常時、インテリジェンスを入手し続け、1月6日の再発を目指す動きを追跡しなくてはならない。今回の発表もその一環で念には念を入れた対応だと思うし、相手が誰だろうと今後また議事堂を武装襲撃しようとする動きには確実に対応できるよう準備しておく必要がある」と、パネッタ氏は話した。