ブラジル議会、政府のパンデミック対策を調査 大統領弾劾の可能性も

画像提供, Reuters
ブラジルの議会は27日、政府の新型コロナウイルス対策に対する調査を開始した。ブラジルではこれまでに1400万人以上が新型ウイルスに感染し、39万1000人以上が亡くなっている。
この調査の結果によっては、ジャイル・ボルソナロ大統領が弾劾される可能性もある。
ボルソナロ大統領はパンデミックのさなか、ロックダウンやマスク着用、ワクチン接種などの対策に反対。国民からは非難の声が高まっており、支持率も下がっている。
ボルソナロ氏は、議会による調査を「心配していない」と語った。
ブラジルでは病院に患者があふれ、いくつかの都市では治療を受けられずに亡くなるケースも増えている。さまざまな地域で、医療崩壊の危機が訪れている。
しかしボルソナロ大統領は、感染を食い止めるためのロックダウン施策になお反対している。
大統領は、ロックダウンによる経済へのダメージが新型ウイルスの被害を上回ってしまうと主張。地方自治体が独自に敷いている制限を覆そうと裁判所に働きかけている。
2月には国民に対し、新型ウイルスのパンデミックについて「泣き言を言うな」と発言した。
議会による調査は最高裁判所が命じたもので、特別委員に選ばれた上院議員18人が取り仕切る。
委員会が調査する内容は以下の通り。
- ワクチン接種事業の遅れ
- パンデミックの被害抑制を行ったか
- 医療器具不足について
- 科学的に効果があると示されていない抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」の利用を促したことについて
- 大統領は集団免疫獲得を目指して感染拡大を招いたのか
- 致死率の高い変異株の流行がアマゾンで放置されたことで、先住民に対する「ジェノサイド(集団虐殺)」が行われたのか
また、連邦政府や州政府で刑事罰に相当する過失や汚職があったのかも分析する。調査結果は、政府を起訴する立場の当局に提出される。

画像提供, Reuters
委員会は証人喚問も行う予定で、ボルソナロ大統領の広報局長を務めていたファビオ・ワジンガルテン氏などが候補に上がっているという。
ワジンガルテン氏は先週、雑誌の取材で、ワクチン接種が遅れた責任は大統領ではなく保健省の「一貫性のなさと非効率」にあると述べていた。
パンデミックが始まって以来、ボルソナロ大統領は保健相を3回解任している。大統領とその支持者に対しては、今年3月まで保健相を務めていたエドゥアルド・パゼロ氏に新型ウイルス対策の責任を負わせようとしているとの指摘も出ている。
ボルソナロ氏はさらに、独自にロックダウンなどの施策を行った地方自治体のトップを「独裁者」と呼び、大きな反感を買った。
議会の調査委員会では、かねてボルソナロ氏を批判しているレナン・カレイロス議員が報告者に選ばれており、大統領は厳しい局面を迎える。










