TikTokのアメリカ事業、マイクロソフトへの売却を拒否

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動画共有アプリTikTokのアメリカ事業の買収交渉を進めていた米マイクロソフトは13日、同社の買収提案がTikTokを運営する中国ByteDanceに却下されたと発表した。これにより、米ソフトウエア大手オラクルが土壇場で買収する道が開かれた。
TikTokのアメリカ事業の買収をめぐっては、アメリカのドナルド・トランプ大統領が交渉期限を9月15日までと設定。合意が成立しなければ閉鎖するとしていた。
トランプ政権はTikTokをはじめとする中国のアプリについて、国家安全保障上の脅威だと主張している。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルやロイター通信は、消息筋の話として、データベース技術やクラウドシステムを企業向けに販売するオラクルが入札合戦に勝利したと報じている。
オラクルをめぐっては以前、TikTokのアメリカやカナダ、オーストラリア、ニュージーランドでの事業を米ジェネラル・アトランティックや米セコイア・キャピタルなどの投資会社と共同で買収することを真剣に検討していると報じられていた。
TikTokの広報担当者はBBCに対し、「マイクロソフトの開発やオラクルをめぐる憶測のいずれにもコメントしない」と述べた。
マイクロソフトの発表内容
マイクロソフトは13日、「ByteDanceから本日、TikTokのアメリカ事業をマイクロソフトに売却しないとの連絡があった。我々の提案が国家安全保障上の利益を守りつつ、TikTokユーザーにとって良いものであったと、我々は確信している」と発表した。
また、「これらの重要な分野において、サービスがどのように進化していくのか楽しみにしている」と付け加えた。
これにより、オラクルが買収する可能性が出てきた。
トランプ氏は先月、オラクルはTikTokのアメリカ事業を引き継ぐのに「ふさわしい企業」だと述べていた。オラクルのラリー・エリソン会長はトランプ氏支持者で、2月にはトランプ氏のための資金集めイベントを開催した。
今月初め、トランプ氏は米企業がTikTokのアメリカ事業を買収する場合、売却価格の「大部分」が米政府に支払われるべきだと述べた。

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買収の背景
トランプ氏は先月14日、TikTokの運営会社ByteDanceに対し、アメリカ事業を90日以内に売却あるいは閉鎖するよう命じた。
この強制売却は、米国内の中国企業に対する広範な取り締まりの一環だ。
トランプ氏はかねて、TikTokやメッセージアプリ微信(ウィーチャット)などの中国のアプリや、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などがユーザーに関するデータを収集して中国政府と共有し、国家安全保障上の脅威となっていると主張してきた。これらの中国企業はトランプ氏の主張を否定している。
15日からはファーウェイへの輸出管理も強化され、アメリカの技術を使って製造した半導体の輸出が禁止される。輸出するには米商務省の許可が必要となる。

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中国は先月28日、技術輸出に関する新たな規制を発表。輸出の際に中国政府の許可が必要となる規制対象に、人工知能(AI)など23項目の技術が追加された。TikTokの売却を遅らせることが目的とみられる。
TikTokはユーザーが見たいものを予測する高度なアルゴリズムを採用し、人気を博している。
こうした技術は今後、中国政府の注目を浴びることになる
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、付加価値の高いこうしたアルゴリズムが売却あるいは譲渡されることはないと伝えている。
強制売却はTikTokユーザーにとって何を意味するのか
アメリカのユーザー約1億人の人気アプリが、強制売却で今後どうなるかは不透明だ。
マイクロソフトもオラクルも、短いリップシンク系動画を共有する若い視聴者が大半を占めるTikTokの売却に最も乗り気な企業とは見られていない。
どのような合意であっても、米中両政府やByteDance、投資家など多くの利害関係者からの承認が必要となる。











