ベラルーシ大統領、野党がクーデター画策と 権力移譲図る協議会設置に反発

Opposition supporters take part in a protest in front of the prison where Sergei Tikhanovsky is held in Minsk

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画像説明, 首都ミンスクの刑務所前で抗議する人々。こうした抗議者を見る限り、ルカシェンコ大統領の得票率は0%のように見える

大統領選の結果をめぐる抗議デモが拡大している東欧ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(65)は18日、野党がクーデターを起こそうとしていると非難した。

9日の大統領選では、1994年から実権を握ってきたルカシェンコ大統領が6期目当選を決めた。

対立候補のスヴェトラーナ・チハノフスカヤ氏(37)は17日、暫定大統領を務める可能性を示唆した。

野党指導者らが権力移譲を図る協議会を設置したことについて、「これは間違いなく、権力を掌握しようという試みだ」とルカシェンコ氏は述べた。

対抗措置ちらつかせ

ルカシェンコ氏は18日、チハノフスカヤ氏から野党調整協議会メンバーに任命された35人について、「こういった性急な人たちを静める」手段があると述べ、対抗措置を取ると脅した。

調整協議会には芸術家や作家、実業家らが含まれる。

ルカシェンコ氏はテレビ会議で、このグループの目的は明白だと述べた。

「彼らが要求しているのは権力の移譲に他ならない。権力を掌握し(中略)それに付随する全ての影響を掌握しようという試みであることは、はっきり分かっている」

この日、ルカシェンコ氏はデモ隊の取り締まりに尽力した治安当局者に、「完璧な任務」を遂行したとして勲章を授与した。

動画説明, ベラルーシの2人の政治家、異なるメッセージ

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中央選挙管理委員会によると、大統領選でのルカシェンコ氏の得票率は80.1%、対立候補のスヴェトラーナ・チハノフスカヤ氏(37)は10.12%だった。

しかし、中立の選挙監視団は呼ばれていなかったため、選挙結果は不正だと批判する声が高まっている。

チハノフスカヤ氏は、自分は実際には60~70%の票を得たと主張している。

同氏は選挙結果について不服を申し立てるため、10日に選挙管理委員会を訪れたところ、7時間にわたって拘束された。その後、隣国リトアニアへ脱出した。

ルカシェンコ氏は自分は選挙で公平に勝利したとし、占拠のやり直しはしないと主張している。

高まる大統領への圧力

ベラルーシでは、選挙結果をめぐる抗議デモやストライキが10日間にわたって続いている。

警察との衝突でこれまでに数百万人の抗議者が負傷し、2人が死亡している。逮捕者は数千人に上り、その多くが治安部隊から拷問を受けたと証言している。

先週末には首都ミンスクでの抗議集会に10万人以上が集結した。1990年の旧ソ連からの独立宣言後にベラルーシで開催された抗議集会としては最大規模だった。

動画説明, 首都ミンスクで数万人が反政府デモを行った(8月16日)

ストライキも大統領への圧力を高めている。国営テレビ局や主要工場、郵便局員らもストライキに参加したと報じられている。

17日に首都ミンスクの工場を視察した際、ルカシェンコ氏は「選挙は済んだ。あなた方が私を殺すまで、ほかの選挙はない」と述べたが、労働者からはブーイングや「出て行け」などと野次が飛んだ

18日に何があったのか

政治経験のないチハノフスカヤ氏は、今年5月に政権に批判的だったブロガーの夫セルゲイ・チハノフスキ氏が出馬を禁じられ、収監された後に出馬を決めた。

この日、セルゲイ氏は42歳の誕生日を迎えた。同氏が収監されているミンスクの刑務所の外には数百万人が集った。

多くの抗議者はルカシェンコ政権への抵抗を示す紅白の風船を手にし、「誕生日おめでとう、セルゲイ」と声を上げた。

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チハノフスカヤ氏は、「犯してもいない罪」のせいで夫は獄中で誕生日を過ごすことになったと主張した。

「1人の人物が全てを支配し、26年もの間この国を恐怖に陥れ、ベラルーシ国民の選択肢を奪うという、腐敗した制度がどのように機能しているのか。こうしたあからさまに違法で不正な行為の全てが、それを証明している」と、チハノフスカヤ氏はビデオメッセージで述べた。

Belarus opposition activists hold a portrait of opposition leader Svetlana Tikhanovskaya during a rally in Minsk, Belarus, 17 August 2020

画像提供, EPA

画像説明, チハノフスカヤ氏の肖像画を手にする抗議者(ミンスク、17日)

国際社会の反応

26年にわたり政権を握るルカシェンコ氏は、隣国ロシアと緊密な関係を維持してきた。

大統領選をめぐる混乱が続く中、ルカシェンコ氏はロシアのウラジミール・プーチン大統領に助けを求めた。

ルカシェンコ氏によると、プーチン氏はベラルーシが外部からの軍事的脅威を受けた場合に、包括的な援助をすることで合意したという。

プーチン氏は18日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相と電話会談を行った。

マクロン氏とメルケル氏は、ベラルーシ政府は野党との対話を始めなければならないと述べた。一方プーチン氏は仏独両首脳に対し、外国の干渉はこの危機をエスカレートさせるだけだと伝えたと、ロシア当局は明かした。

欧州連合(EU)は19日に緊急ビデオ会議を開く予定だ。

欧州各国の外相は先週、「暴力、弾圧、選挙結果の改ざん」の責任を負うベラルーシ当局者に対し、新たな制裁措置を準備することで合意した。

イギリスは17日、「不正な」選挙結果は受け入れないとした。ドミニク・ラーブ英外相は「世界はベラルーシ当局による暴力行為を見てぞっとした」と述べた。

アメリカのドナルド・トランプ大統領も同日、ベラルーシでの「恐ろしい状況」の行方を見守っていると述べた。