イギリス経済が景気後退入り 第2四半期はマイナス20.4%

ズー・ピン・チャン、ビジネス記者、BBCニュース

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画像提供, TOLGA AKMEN

イギリスの国家統計局(ONS)は12日、2020年第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP)が前期比20.4%縮小したと発表した。第1四半期の経済成長率はマイナス2%だったため、正式にリセッション(景気後退)入りとなった。

イギリスがリセッション入りするのは、2009年以来11年ぶりのこと。

イギリスでは3月末から、新型コロナウイルスの流行拡大を受けてロックダウン(都市封鎖)政策が実施されている。店舗が休業していたために家計支出が落ち込んだほか、製造や建設といった分野でもマイナス成長となった。

一方ONSは、ロックダウンが徐々に緩和された6月以降、経済は回復してきていると指摘した。

ONSの経済統計担当、ジョナサン・アサウ氏は、「(回復してはいるものの、)6月のGDPはコロナ禍が始まる前の2月に比べて、6分の1にとどまっている」と話した。

The UK fell into recession for the first time since 2009
画像説明, イギリスの国内総生産(GDP)成長率の推移(前期比)

ONSによると、生産高の落ち込みは店舗やホテル、レストラン、学校、車の修理工場などの閉鎖によって加速した。

また、イギリス経済の5分の4を占めるサービス業は、統計開始以来で最も縮小した。

工場の閉鎖により、イギリスの自動車生産も1954年以来最低のペースまで落ち込んだ。

マイナス成長は特にロックダウンが佳境だった4月に集中している。

前月比では、5月の伸びを足がかりに6月も8.7%成長している。

政府は6月15日にイングランドで書店など生活用品以外の店舗の休業を解除した。また、建設業界では4月と5月の大幅な落ち込みに対して、6月は大きく伸びた。

しかしリシ・スーナク財務相は、経済の停滞を受け、今後数カ月にわたり雇用の落ち込みが続くと懸念を表明した。

政府統計によると、就労人口は4月から6月にかけて22万人減少した。この減少幅は四半期ベースで、世界金融危機の渦中にあった2009年5月~7月以来の規模。

「すでに何十万もの人々が職を失っているが、残念だが今後数カ月でさらに増えるだろう」と、スーナク財務相は述べた。

「厳しい決断を迫られることになるが、この困難を乗り越えられるはずだ。誰1人として希望や機会を失うことがないよう努めていく」

ただし、政府が雇用維持策として4月から導入した企業の一時帰休制度(賃金の8割を政府が肩代わり)は10月末で期限切れとなる。このため、英経営者協会(IOD)は、それ以降はさらに失業者が増えると懸念している。

経済規模が5分の4に

イギリス経済の落ち込みは、他の先進国の速報値と比べても大きなものとなっている。

同国経済は昨年末と比べて5分の4の規模まで縮小した。スペインのマイナス22.7%には及ばなかったものの、アメリカやドイツの約2倍の落ち込みとなっている。

中央銀行のイングランド銀行は、イギリスでは従来、外食や観劇、サッカー観戦といった社交的な支出の比重が、アメリカやユーロ圏諸国よりも大きいことが原因だと説明している。