米がイラン軍にサイバー攻撃か、偵察機撃墜の報復で 米メディア

画像提供, EPA
イランによる米軍偵察機の撃墜をめぐり、アメリカが20日、イラン軍のミサイルシステムなどに対しサイバー攻撃を行なっていたと、複数の米メディアが報じた。
米紙ワシントン・ポストによると、このサイバー攻撃により、ロケット弾やミサイルの発射装置を制御するイラン軍のコンピュータ・システムが無効になったという。
米軍の偵察ドローン(小型無人機)撃墜に加え、アメリカは中東のオマーン湾で13日に起きたタンカー2隻が爆発した事件はイランによるものだとしており、その報復だと、米紙ニューヨーク・タイムズは報じている。
イラン軍のシステムが受けた影響については確認は取れていない。
アメリカはイランに対し、24日に追加制裁を科すと表明しており、ドナルド・トランプ米大統領は「大規模」なものになるとしている。
トランプ大統領は制裁について、イランが核兵器を保有することを阻止するために必要だと主張。イランが方向転換しない限り、経済的圧力は継続していくとしている。
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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談のためエルサレムを訪問中のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、追加制裁の詳細は24日に公表される見通しだと述べた。
誰もイランに対し「中東を好き勝手にしていいという狩猟免許」は与えていないと、ボルトン氏は付け加えた。
高まる米・イランの緊張
昨年5月にアメリカがイラン核合意から離脱して以降、米・イランの緊張は高まっている。トランプ大統領は同年11月、イランへの制裁を再開し、同国の経済破綻を引き起こした。
イランは17日、同国の低濃縮ウランの貯蔵量が、核合意で定められた上限を6月27日に超過すると発表した。
トランプ大統領はイランとの戦争は望んでいないとしているものの、仮に衝突が起きた場合、イランは「消滅」の危機に直面するだろうと警告した。
サイバー攻撃の目的
複数の情報筋が米メディアに述べたところによると、今回のサイバー攻撃は数週間前から予定されていたもので、オマーン湾でのタンカー爆発事件への報復手段として提案されたという。
攻撃の標的はイランの精鋭部隊、革命防衛隊(IRGC)が使う兵器システムだった。IRGCは米軍偵察機を撃墜したほか、タンカー爆破に関与したと米政府は主張している。
ワシントン・ポストとAP通信は、サイバー攻撃はIRGCのシステムを無効化したと報じている。ニューヨーク・タイムズによると、システムを一定期間オフライン化する狙いがあったという。
米国土安全保障省は22日、イランはアメリカに対するサイバー攻撃を強化していると警告した。
同省のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)のクリストファー・クレブス長官は、米企業や米政府機関に対する「悪意あるサイバー行為」がイラン政府のプロキシを経由して行われていると述べた。
クレブス長官によると、イランは「破壊的な『ワイパー型』攻撃」を使い、「特定の組織や人物を狙うスピアフィッシング攻撃や、不正ログインを狙ったパスワードスプレー攻撃、ユーザーアカウント情報の流用を悪用して自動で様々な不正アクセスを試みるクレデンシャルスタッフィング攻撃(パスワードリスト型攻撃)」といった方法でネットワーク全体を支配しようとしているという。
イランは米海軍艦艇のコンピューターシステムもハッキングしようとしていると、ワシントン・ポストは報じている。
トランプ大統領の主張
今回のサイバー攻撃について、トランプ大統領はコメントしていない。
大統領は21日、ツイッターで、イランによる米軍偵察機撃墜への報復爆撃を取りやめていたと明かした。理由については、報復爆撃を行なった場合、150人のイラン人が死亡する可能性があると説明を受けたからだとしている。










